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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
50865
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
情報の法と倫理
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
水谷 瑛嗣郎
曜限
Day/Period
月3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

インターネットとスマート機器の登場により、私たちが「情報」に接しない日はないといっても過言ではない。すでに私たちはネットに接続されたスマート機器を通じ、日々大量のデータを収集・プールされ、AIにより解析されたうえで、抽出されたパターンをフィードバックされている。そうしてAIに「予測」されることで、私たちの暮らしは相当程度「便利」になったが、一方で私たちは大切な「何か」を失いつつある。そうした情報技術が当たり前に普及していく時代(Society5.0)に向き合っていくためには、皆さん自身が「情報」をめぐる法知識を一程度身につけておくことは不可欠となる。まず前半では、情報の自由と秩序についての基礎知識を学んだうえで、現在のデジタル空間の秩序形成においてとりわけ重要な機能を果たす「アーキテクチャ(コード)」の概念、そして同空間において近年台頭しつつある「オンライン・プラットフォーム」事業者が担うべき新たな役割について学んでもらう。そのうえで、「情報」を取り巻く各種規制や諸制度(違法・有害情報規制、放送制度、通信の秘密、個人情報保護法制、著作権等)の仕組みについて学んでもらう。最後にビッグデータ・AI技術が私たちの社会にもたらしつつある影響を理解したうえで、私たちのデモクラシー体制を維持・発展させていくために、どのような法制度をデザインしていくべきかについて学んでもらう。なお授業に関連して、映像資料として映画(『マイノリティ・リポート』、『ガタカ』etc)を用いたり、プラットフォーム事業者の方や他大学の法学者・社会学者を招いての授業内講演も積極的に行っていきたいと考えている。

到達目標 / Course Objectives

①「情報法」の基本理念と規律方法(アーキテクチャ(コード))について、説明できる。加えて、アーキテクチャによる統治の特徴を踏まえたうえで、オンライン・プラットフォーム事業者の新たな役割について議論できる。

②「個人の尊重」や「自由かつ多様な情報流通」等をはじめとする法的概念を踏まえたうえで、「情報」をめぐる各種法制度の仕組みについて説明できる。

➂ビッグデータ・AI革命がどのような影響を私たちに与えつつあるかを理解したうえで、AI時代の法制度のデザインについて議論することができる。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

【第1回】イントロダクション:授業の進め方、社会学と法学の違い、「情報法」ってなに?
【第2回】情報法の基礎①:基本理念、インターネットの特徴・AIの発展
【第3回】情報法の基礎②:情報の自由と規制手段の多様化、「アーキテクチャ」とは何か
【第4回】情報法の基礎➂:アーキテクチャによる統治と環境管理型社会の到来
【第5回】自由かつ多様な情報流通と違法・有害情報
【第6回】プラットフォームと法➀:アテンション・エコノミー、プラットフォーム事業者の新たな役割
【第7回】プラットフォームと法➁:情報媒介者の法的責任、プロバイダ責任制限法、ニュースプラットフォームと法的責任
【第8回】プラットフォームと法➂:プラットフォーム企業の社会的責務
【第9回】プライバシーと個人情報の保護①:プライバシー権の発展
【第10回】プライバシーと個人情報の保護②-個人情報保護法制
【第11回】授業内講演会  or  映像授業
【第12回】放送・通信の融合時代:情報の多様性確保とマスメディア集中排除原則、電気通信事業と通信の秘密
【第13回】デジタル社会における知的財産権の保護にむけて➀:知的財産権と著作権の基礎
【第14回】デジタル社会における知的財産権の保護にむけて➁:デジタル時代における著作権と表現の自由
【第15回】AI・ビッグデータ時代におけるデモクラシー:「デジタル・ダイエット宣言」とは?

※講演会はゲストスピーカーの都合も考えて実施されるため、第11回から前後する可能性がある。なおそれ以外にも上記授業計画はあくまで予定であるため、授業の進行度合いその他によって変更があり得る。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

予習については、指定教科書の該当箇所を読んだうえで、分からない点・不明な点はどこかをチェックしておくことを推奨する。また試験は、講義レジュメを持ち込んで解いてもらう方式であるため、各自のレジュメ・ノートづくりが必須である。また授業終了後に、講義レジュメと指定教科書とを照らし合わせながら、LMSで実施される小テストに備えて復習しておくことが推奨される。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
成績評価は定期試験(60%)、レポート(40%)とする。

※1 レポートは、ゲストスピーカーによる講演会(Zoomによるオンライン講演会を検討中)を聴講し、その内容を踏まえて執筆するものである。ゲストスピーカーによる講演会は現在、相手方と日程などを交渉中である。詳細は授業開始後LMSのタイムラインとメッセージで周知する。なおゲストスピーカーの都合がつかない場合は、代わりに映像授業の感想レポートを提出してもらう。

※2 なお出欠は、原則として加点も減点もしない(欠席の連絡は一部例外を除き、不要である)。ただし授業に対する妨害行為(主に私語や故意に騒音を発生させる行為)があった場合は、当該者に対し、成績評価から減点や単位の不認定を行う場合がある。

※3 担当教員(+受講生同士)とのコミュニケーションの機会を確保するため、LMSの「掲示板」機能を使い、各回の授業の要点の提示とそれに対する質疑応答、及び日頃のニュースを題材にした時事問題についてのディスカッション・フォーラムを不定期で開催する場合がある(2~3回程度)。開催した場合、掲示板での積極的な発言や受講生同士のディスカッションは、成績評価において加点要素とする。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

・レポートでは、ゲストスピーカーや映像資料で提示された社会における諸問題について、講義で学んだ知識を活かし、実践的に問題解決をはかる能力を評価する。
・定期試験においては、講義内容全般に関する理解度を評価したうえで、さらに応用として講義で学んだ知識を活かした問題解決能力も評価する。

教科書
Textbooks

水谷瑛嗣郎編著  『リーディング メディア法・情報法』  法律文化社、2022年  9784589042200

参考書
References

宍戸常寿編  『新・判例ハンドブック 情報法』  日本評論社  4535008310
山本龍彦編著  『AIと憲法』  日本経済新聞出版社  4532134854
小向太郎  『情報法入門 第6版』  エヌティティ出版  9784757104020
曽我部真裕・林秀弥・栗田真裕  『情報法概説 第2版』  弘文堂  4335357648
  神野潔・岡田順太・横大道聡編  『法学概説』  弘文堂  9784335358821

※参考書は教科書と異なり無理に買う必要はありませんが、『新・判例ハンドブック 情報法』だけは、持っておくと授業の理解を助けてくれる非常に便利な参考書です。授業で取り扱う裁判例の多くが載っており、配布するレジュメやスライドで判例をとりあげる際には、連動してハンドブックのページ数を記載してあります。

フィードバックの方法
Feedback Method

・授業の実施方法についての改善点も、「掲示板」機能やメッセージ機能を通じて受け付ける。こちらは成績評価の対象とはもちろんしないので、遠慮なく積極的に要望を出してもらいたい。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

その他の問い合わせについては、授業の前後およびオフィスアワーの時間帯に受け付ける。
アポイントメント先 → hatitaro@kansai-u.ac.jp
※1 必ず大学名・学部・学年・学籍番号・氏名などの必要事項を名乗ること。名無しの権兵衛には返信しませんので悪しからず。

※2 また間違って迷惑メールフォルダに振り分けられないように必ず用件をタイトルを入れてください。

※3 上記のメールアドレスのほか、関大LMSのメッセージでも受け付けている。

備考
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