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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
50639
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
現代社会論2
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
宇城 輝人
曜限
Day/Period
木4
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

この講義は、「社会的なもの」の現代的展開を考察するために、「レイシズム(人種・民族差別)」の問題をとりあげます。そのさい、レイシズムを「街頭の政治」の水準で都市空間とグローバリゼーションの交わる問題として捉え、「社会的なもの」に及ぼす影響に焦点をあてます。具体的には、現代日本社会で問題化しつつあるヘイトスピーチやそれと密接な関係にある歴史修正主義を、フランスの事例(イスラム嫌悪、反ユダヤ主義、郊外暴動など)と比較対照しながら分析を進めます。

レイシズムは、外国人嫌悪(ゼノフォビア)のような古くからある偏見を元にして19世紀に科学の意匠をまとって成立したものですが、現代においてはとりわけ社会的連帯の危機を象徴的に表す現象として重要視されます。社会の分断や軋轢をレイシズムとして出現させる現代社会における都市・資本主義・民主主義の変容を、日仏比較を手がかりに理解することが、この講義の目的です。

到達目標 / Course Objectives

(1)  レイシズム概念と関連する諸概念について基本的な理解をえること。

(2)  現代日本におけるレイシズムの現状とその問題性について基本的な理解をえること。

(3)  歴史修正主義と現代民主主義の関係について基本的な理解をえること。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

1 なぜレイシズムが重要なのか
2 レイシズムとは何か
3 差別扇動のピラミッド:レイシズムとは何か2
4 ヘイトスピーチとは何か
5 日本におけるヘイトスピーチ問題の倒錯
6 路上のヘイトスピーチから考える
7 反レイシズムの基礎:何にどのように介入するか
8 「在日特権」なる嘘:歴史修正主義のケーススタディとして
9 特別永住資格における「特別」とは何か:「在日特権」なる嘘2
10 日本社会の民族学校への応接の異様さ:「在日特権」なる嘘3
11 歴史修正主義における嘘と不誠実さ:レイシズムの核心にあるもの
12 嘘の歴史:デリダによる整理を参考に
13 嘘の政治的機能の変容:コイレからアレントを経て今に
14 真実の裁判モデルの向こう側:歴史的事実をめぐる問題
15 人はいかにアンチレイシストになるか:1940年代群像

※講義の順序や内容は、事情によって、また進捗度に応じて、一部変更される可能性があります。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

オンラインで配布する講義原稿や資料、参考文献などを使って学習してください。教室内での学習だけが勉強ではありません。教室外で関連文献を読み、ニュースや街の出来事に絶えず注意を向けて、教室の内と外を行き来するような姿勢で受講してください。関連する文献は講義で紹介します。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
筆記試験(80点満点)と講義中に課す小課題(20点満点)と課題図書要約レポート(最大30点)を総合して評価します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

定期試験と小課題は、講義で説明された内容を十分理解しているかどうかを確認します。

教科書
Textbooks


教科書は使用しません。

参考書
References

アルベール・メンミ  『人種差別』  法政大学出版局  
野間易通  『「在日特権」の虚構 増補版』  河出書房新社  
武井彩佳  『歴史修正主義』  中央公論新社(中公新書)  
ルース・ベネディクト  『レイシズム』  講談社(講談社学術文庫)  

ここに挙げたのは参考書の一部です。参考書の詳細は講義初回にリストを配布します。

フィードバックの方法
Feedback Method

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー
木曜6限(事前に下記のメールアドレスに連絡するのが望ましい)
その他
必要を感じたら気軽に随時、ushiro@kansai-u.ac.jpにメールをください。

備考
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