- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 商
- 時間割コード
Course Code - 40576
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 生活協同組合論
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 杉本 貴志
- 曜限
Day/Period - 木4
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
いまや日本では3000万世帯が生活協同組合に加入しているという。ともすれば流通業界のなかでもマイナーなイメージを持たれがちな生協であるが、実はその事業高は、受講者にも身近な存在であると思われるコンビニエンスストア各社(たとえばセブン-イレブンであるとか、ローソンであるとか)の売上高よりも遙かに大きいのである。つまり生協は、消費者が自分たち自身の力で営むユニークな流通業として、国民生活上欠かすことのできない存在にまで成長しているといっていいだろう。 各地で続く災害時には、全国の生協が協力して救援物資を送るなど、緊急時における生協の活躍も注目されている。
この講義では、そうした生協運動の歴史と、日本における生協の現状を見た上で、その課題と可能性を検討する。単に生協の姿を取り上げ、紹介するだけでなく、それを通して21世紀の経済社会を考えるきっかけとなるような講義にしたい。 なぜ「安心・安全」を売り物にしてきたコープのミートコロッケや餃子で、成分偽装や殺虫剤混入問題が起こったのか。福島の原発事故を受けて、生協はどう対応すべきなのか。コロナ禍によって宅配ビジネスが盛んとなった今日、その先駆者である生協はそれにどう対応しようとしているのか。こうした問題を一緒に考えてみよう。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(商学部)
1.知識・技能
③専修に関わる専門知識の修得。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
①ビジネス・経済・社会に対する広い視野と鋭い洞察力をも つ。
②企業倫理と社会的責任を深く認識し、品格をそなえたリーダーシップと「考動力」を発揮できる。
3.主体的な態度
自ら諸問題を発見し、主体的かつ柔軟に取り組むことができる。
到達目標 / Course Objectives
非営利企業である生活協同組合がどのような成果を収め、どのような課題を抱えているかを知ることで、現代経済全体が抱える問題について深く考えることができるようになること、これが本講義の目標である。
授業手法 / Teaching Methods
・講義を行う
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
【第1回】
1 生活協同組合という存在:スーパーと生協との違いとは?
○オリエンテーション(講義概要・計画等の確認)を行うとともに、生協の概要を説明する。
【第2回】
2 生協運動のあゆみ:生協が輝いていた時代とは?
(1)戦前の消費組合運動
○日本における戦前の消費組合について講義する。
【第3回】
(2)戦後の再建と生協法
○消費生活協同組合法を中心に、戦後生協のスタートを講義する。
【第4回】
(3)高度成長期の生協
○高度成長期の生協の発展について講義する。
【第5回】
3 業態別にみる生協の事業:生協組合員はどこで買い物するのか?
(1)生協の業態
(2)共同購入
○生協の業態を考察し、無店舗業態の代表である共同購入について講義する。
【第6回】
(3)個配
○近年の個配業態の展開を講義する。
【第7回】
(4)店舗
○生協の店舗開発の歴史を講義する。
【第8回】
4 コープ商品と産直をめぐる諸問題:生協は何を売るべきか?
(1)コープ商品
○生協におけるPB商品開発を講義する。
【第9回】
(2)産直
○生協産直を「三原則」を中心に講義する。
【第10回】
(3)フェアトレード
○国際産直としてのフェアトレードについて講義する。
【第11回】
(4)表示問題
○生協における添加物等の表示と偽装事件を講義する。
【第12回】
5 生協ガバナンスとその改革:なぜ生協にも不祥事があるのか?
(1)単協のガバナンス構造
○個別生協のガバナンス構造を講義する。
【第13回】
(2)「創業者」支配と経営者支配
(3)事業連合時代の生協ガバナンス
○生協における不祥事と、事業連合時代のガバナンス問題について講義する。
【第14回】
(4)組合員主権と社会的責任
○組合員民主主義と生協の社会的責任について講義する。
【第15回】
まとめと到達度の確認授業時間外学習 / Expected work outside of class
受講生には、授業時間外に生協を含む小売業の店舗に実際に足を運んだり、日経MJなどのマスコミによって流通業の動向を把握したりすることを期待したい。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)で評価する。
到達度の確認100%
履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
非営利企業として生活協同組合がどのように事業展開をしてきたのか、正確に理解しているかを基準に評価する。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
自分自身の言葉で上記の知識を表現した上で、生活協同組合が抱える課題と可能性を自分自身の考えで論じることができているかを基準に評価する。
③主体的な態度の観点
競争社会に生活する人間として流通業における生活協同組合の存在意義を自ら考えることができているかを基準に評価する。
- 教科書
Textbooks
-
参考書
References 杉本貴志・北川太一監修 『図解協同組合入門』 (家の光協会)
季刊 『くらしと協同』第36号(「生協入門」特集) (くらしと協同の研究所)
中川雄一郎・杉本貴志編 『協同組合を学ぶ』 (日本経済評論社)
中川雄一郎・杉本貴志編 『協同組合 未来への選択』 (日本経済評論社)
杉本貴志編 『格差社会への対抗 新・協同組合論』 (日本経済評論社)
月刊 『生活協同組合研究』 (生協総合研究所)
その他随時紹介する。
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 授業中及び授業後に質問対応の時間を設ける。
- 備考
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