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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
40800
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
国際会計論
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
北山 弘樹
曜限
Day/Period
火3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

  本講義は、国際的に会計基準が統一化することに関する功罪と、我が国における対応について考える。各国で多様であった会計制度は現在コンバージェンスの名の元で、調和化収斂化に向かっている。また我が国では、日本基準に加えて国際基準の適用も認められるように成っている。こうした経緯を歴史的理論的に検討し、また国際会計基準審議会IASBによるIFRS国際財務報告基準について、その理論構造から会計処理基準の考え方、例えば、のれんの償却及び組替調整(リサイクル)について検討する。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(商学部)
1.知識・技能
  ③専修に関わる専門知識の修得。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  ①ビジネス・経済・社会に対する広い視野と鋭い洞察力をも つ。
  ②企業倫理と社会的責任を深く認識し、品格をそなえたリーダーシップと「考動力」を発揮できる。
3.主体的な態度
  自ら諸問題を発見し、主体的かつ柔軟に取り組むことができる。

到達目標 / Course Objectives

・会計基準の世界的な調和化・統一化の経緯を把握する。
・IFRSにおける会計基準の考え方を理解する。
・我が国における会計基準の国際的な調和化の歴史と現状を理解し、IFRSとの相違を検討する。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回 オリエンテーション
第2回 わが国における国際会計基準IFRSの任意適用
 2010年3月期より、我が国で作られた会計基準では無く、国際的な会計基準であるIFRSを日本企業でも利用できるようになった。任意適用承認に至った、投資者や企業にとっての利点等に関する議論を確認する。
第3回  国際会計の意義
 国際会計は、個別企業の活動が国際化するに伴って出現する問題を扱うものであり、高度に国際化した企業である多国籍企業の運営と会計規制に関する問題を扱うものである。企業の国際化と多国籍化の進展により発生してくる問題を概観する。
第4回  世界における会計の多様性
 20世紀までは、各国それぞれに独自の言語、法制度、経済活動があるように、会計制度も各国それぞれに特徴を有していた。企業が国際的に販売や製造活動等で他国に進出するさいには今でもその国の会計制度を知悉した上でなければ健全な活動は不可能である。そうした世界的な会計の多様性の状況とその要因や大まかな分類把握の考え方を確認する。
第5回  財務報告の国際的調和化
  100ヶ国以上において、IFRSが認められるようになるまで、会計基準の国際的な調和化の努力が、公認会計士の国際的な団体を中心として様々に行われてきた。代替的な会計処理方法を制限しつつ体系化を進めていった調和化作業の、50年以上の歴史を確認する。
第6回  国際会計基準審議会IASBの特徴
 ロンドンを本部としたIASBが、国際財務報告基準IFRSを作成している。制度的には、各国の証券取引監督の為の政府機関との緊密な連携とEUの全面的支援があり、基準作成のさいにはデュープロセスという、一般の意見を取り入れる機会を保証したものにしている。こうした制度的特徴を現在までの歩みとともに確認する。
第7回  IFRSと日本基準の国際化
 IFRSの基本的な考え方の実質的な部分は、2000年3月期以降の「会計ビッグバン」と「コンバージェンス」の過程を経て既に日本に導入されている。連結中心、キャッシュフロー計算書、時価会計、減損会計、退職給付、税効果、金融商品会計等であり、これらを検討確認する。
第8回  IFRSの基本的特徴
 IFRSの全体的な会計基準の特徴として、原則主義、比較可能性重視、資産負債アプローチ、公正価値重視、経営者の恣意性排除、実質優先思考、注記開示等が指摘される。これらを検討確認する。
第9回 IFRSの特徴-業績報告
      IFRSの上記特徴から導かれる考え方として、業績報告においては、包括利益の開示を重視している。日本基準の実現当期純利益重視の考え方との相違を確認しつつこれら検討する。
第10回  IFRSの特徴-資産会計
 IFRSと日本基準との資産会計等に関する相違として、減価償却手続きの判断、開発費の資産計上、減損会計、等があり、日本企業にとっての意義と影響を検討する。
第11回 IFRSの特徴-負債会計その他
 IFRSと日本基準との相違として、のれんの償却か非償却かの違いがあり、日本企業にとっての意義と影響を検討する。
第12回  国際財務諸表分析
 外国企業の財務諸表を分析する。IFRS・米国基準・日本基準における規定を確認した上で、財務指標の算定等を通じて、外国企業の財務諸表を比較検討する。 
第13回 多国籍企業における国際税務会計
 外国税額控除、過少資本税制、移転価格税制、タックス・ヘイブン対策税制等について検討する。
第14回   総復習
第15回 到達度の確認

授業時間外学習 / Expected work outside of class

授業資料等を読み返し、授業内容の理解に努めるよう復習をすること。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験約50%、授業への参加態度約50%。

成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

・会計基準の世界的な調和化・統一化の経緯を把握しているかどうかを評価する。
・IFRSにおける会計基準の考え方を理解しているかどうかを評価する。

教科書
Textbooks


 毎回、資料の配布を行う予定です。

参考書
References

永峰・三島会計事務所  『IFRS  forビギナーズテキスト-IFRSから始める会計学』  (中央経済社)  
秋葉賢一  『エッセンシャルIFRS第6版』  (中央経済社)  
アーンスト・アンド・ヤング・新日本有限責任監査法人  『IFRS-完全比較-国際会計基準と日本基準第二版』  (清文社)  
福留聡  『7つのテーマがわかる  IFRS実務ガイドブック:  ステップ式』  (税務経理協会)  
T.  Doupnik  and  H.  Perera  『International  Accounting』  (McGraw-Hill,  Irwin)  

フィードバックの方法
Feedback Method

授業中に実施した小テストについては、当日の授業中に解説する予定で有る。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー
授業の前後に、教室または個人研究室で対応します。

備考
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