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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
40799
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
外貨換算会計論
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
北山 弘樹
曜限
Day/Period
火3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 円やドルやユーロ等、各国はそれぞれの貨幣単位を使っています。日本企業は、原材料の輸入に始まり、製品の輸出まで、絶えず外国と関係しています。この講義では、国際的な企業活動を情報として描き出す上で必要となる、外貨表示の項目を円へ換算する方法について検討します。経営者にとっては、為替の変動の意味を理解した上で、会計基準としてどのように対処すべきかが重要です。具体的には、経済・経営が国際化している現状を確認し、円以外のドルやユーロといった外貨建てで取引をした際に生じる売掛金や買掛金といった、外貨建債権・債務の会計処理、外貨建で保有する株式等の有価証券の評価、為替予約の会計処理、為替に関するデリバティブ取引、外国に支店あるいは子会社を設立した場合の当該支店あるいは子会社の財務諸表を日本円に表示替えをする方法等について、計算問題を通じて確認します。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(商学部)
1.知識・技能
  ③専修に関わる専門知識の修得。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  ①ビジネス・経済・社会に対する広い視野と鋭い洞察力をも つ。
  ②企業倫理と社会的責任を深く認識し、品格をそなえたリーダーシップと「考動力」を発揮できる。
3.主体的な態度
  自ら諸問題を発見し、主体的かつ柔軟に取り組むことができる。

到達目標 / Course Objectives

外貨建取引について、会計処理方法と関係する諸制度を理解する。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回 オリエンテーション:講義概要、講義計画、成績評価の方法等の確認
第2回 外貨建取引の会計処理
 取引が外貨建てで表示されている、外貨建取引に関しては、取引時、決算時、決済時に基本的に円貨で換算する必要がある。またそのさい、円貨と外貨との交換比率が取引時から変動すると、為替の変動による換算上の損益および決済上の損益が発生する。これらの会計処理を確認する。
第3回 外貨建有価証券の評価
 円貨建てで保有する有価証券は、金融商品に関する会計処理の大きな方針に則り決算時には時価を把握しその価格で再評価することになっているが、有価証券の種類により時価評価のある種の猶予等様々な政策的な配慮が行われている。外貨建ての有価証券も、同様の配慮が行われることになる。
第4回 営業取引の為替予約
 当初の取引の発生時から、実際の決済までの為替の変動による損益を無くす仕組みとして、取引時に決済金額を確定する約束を銀行相手に行う、為替予約がある。売上や仕入といった営業取引に関する為替予約の会計処理を確認する。
第5回 資金取引の為替予約
 現金の借り入れや貸し付けといった資金取引に関する為替予約の会計処理を確認する。
第6回 在外支店の財務諸表の換算
 企業の国際的な発展に伴い、日本国外に支店を設けて、販売活動を行うことがある。現地の在外の支店では、現地通貨で企業活動・会計処理が行われる。こうした場合に、最終的に日本の本店と在外の支店との財務諸表を円建てで合算するための換算方法等を確認する。
第7回 在外子会社の財務諸表の換算
 企業の国際的な発展に伴い、日本国外に子会社を設けて、企業活動を行うことがある。現地の在外の子会社は、現地通貨で企業活動・会計処理が行われる。こうした場合に、最終的に日本の親会社と在外の子会社との財務諸表を円建てで合算・連結するための換算方法等を確認する。
第8回      輸出入取引と会計基準
 海外との取引では、製品の受け渡しと決済の方法に関して国内取引には無い、様々な事情と配慮が施されている。そうした状況と、その中での会計処理の方法を確認する。
第9回        為替予約の会計処理・振当処理と独立処理
 為替予約は、デリバティブ・金融商品の一つであり、会計基準としては、粉飾防止の観点から、時価評価が基本である。その場合、為替予約の対象となっている債権債務と予約の権利自体とは独立的に時価評価される。こうした独立処理による会計処理と、従来より実務上行われてきている振当処理を確認する。
第10回  通貨先物取引の会計処理
 通貨先物は取引所に上場される取引で、為替予約と同様に為替リスクのヘッジに利用することができる。決算時には値洗基準によって損益算定を行うこととなる。これらの会計処理を確認する。
第11回  通貨オプションの会計処理
 為替リスクのヘッジは、事前に特定の価格で買い取ることが出来る権利(コール・オプション)または売り渡すことができる権利(プット・オプション)によっても行うことができる。これらの会計処理を確認する。
第12回  外国財務諸表の分析
 外国企業の財務諸表の分析と日本企業との比較にさいしては、会計基準の異同や現地の経済事情を確認した上で、換算処理し、様々な検討を行うことになる。実際の企業を例として確認する。
第13回 多通貨会計
 外貨建て取引については、原則としてその都度円転して把握するのが原則であるが、商社や輸出企業における外貨建て取引の量的拡大もあり、その都度円転せずに各通貨別に記録管理しておき、一定期間ごとに円換算することも認められている。こうした多通貨会計の、手続き等を確認する。
第14回 総復習
第15回 到達度の確認

授業時間外学習 / Expected work outside of class

授業資料と授業内容の理解に努める。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
到達度の確認テスト約50%、授業への参加態度約50%。

履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

外貨建取引について、会計処理方法と関係する諸制度を理解しているかどうかを評価する。

教科書
Textbooks


 毎回、資料の配布を行う予定です。

参考書
References

新日本有限責任監査法人  『図解ですっきり外貨建取引の会計入門』  (中央経済社)  

フィードバックの方法
Feedback Method

授業中に実施したミニテストは、当日の授業中に解説する予定である。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー
授業の前後に、教室または個人研究室で対応します。

備考
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