- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 商
- 時間割コード
Course Code - 40675
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 国際空運論
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 高橋 望
- 曜限
Day/Period - 水2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
航空輸送産業を対象として、産業論的視点から以下の講義計画にある項目を扱い、航空産業の概要を学ぶとともに、同産業を分析する際に必要となる基礎知識・概念・分析用具を習得することを目的とします。
世界の航空業界は、いま激動期にあります。それは、従来政府規制が厳しく国家の関与が強かった航空市場で自由化の進展とともに競争が激化し、これまで市場での競争を優位に展開してきた欧米先進国の伝統的航空企業に代わり、アジアや中東の航空企業が進出する一方、規制緩和以降に低運賃で既存企業(FSC: Full Service Carrier)に競争を仕掛けた新規参入企業(LCC: Low Cost Carrier)が新しいビジネスモデルでシェアを拡大しているため、世界的に大きな地殻変動が生じているということです。
また関空と伊丹の経営統合・コンセッション(運営権の売却)にみられるように、航空自由化と空港民営化の潮流によって勃発した世界の空港間競争の激化とともに、空港のイノベーション(空港経営改革)も進んでいます。
さらにコロナ禍により、国際線の90%以上が運航停止になり、各国のLCCやアシアナ航空をはじめ経営破綻するエアラインや、あるいはそれを回避するため政府支援が世界中で行われています。エアライン業は、今後生き残っていく上でどう対処すべきなのでしょうか?
このダイナミックな動きを初学者にもできるだけわかりやすく解説したいと考えています。ただ激動期にあって、将来大きく変動する可能性があるので、具体的事例を対象としながらも、その内容を紹介・分析するだけでなく、その分析に使用される基礎概念や分析用具を中心に講義する予定です。したがって、到達度は、そうした専門用語の習得度によって判断します。
なお、世界の航空企業は国際線と同時に国内線も経営しており、また国際空運の領域で大きな課題となっている規制緩和(自由化)が米国国内航空から始められたということもあって、「国際空運論」の講義ではあるが国内航空の問題も扱います。また、関連業界として、旅行業・観光業の諸問題についても時間が許せば扱う予定です。
最後に、受講に際しては予備的知識を必要とはしませんが、講義内容は盛り沢山なので、十分な理解には教科書による復習が必要となります。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(商学部)
1.知識・技能
③専修に関わる専門知識の修得。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
①ビジネス・経済・社会に対する広い視野と鋭い洞察力をも つ。
②企業倫理と社会的責任を深く認識し、品格をそなえたリーダーシップと「考動力」を発揮できる。
3.主体的な態度
自ら諸問題を発見し、主体的かつ柔軟に取り組むことができる。
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
航空輸送産業の経済・経営分析に必要な基礎概念と基本的分析用具(専門用語)の理解と習得
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
現実の諸問題に直面して、基礎知識と専門用語を的確に駆使してその原因を探求し解決策の導出を図り、他者にそれを理解してもらえるよう表現する授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・次回の講義資料をLMSにアップしますので、ダウンロードして教室に持参してください。講義終了と同時に削除します。
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1部 国際航空輸送産業と政府
1 航空輸送産業の特質と動向:急激な技術革新・高度成長・低収益性・市場環境の変化
2 わが国航空市場の発展と航空政策:自由化の後れと市場縮小
3 米国における航空規制緩和政策:経済的規制の撤廃による競争的市場環境への適合と経営戦略の変化
第二部 国際空運制度と自由化の潮流
4 国際航空輸送の制度的枠組み:シカゴ・バミューダ体制
5 国際航空における規制と競争:二国間航空協定と商務協定
6 国際航空における規制緩和の動き:アメリカのオープンスカイとEUの市場統合による航空自由化
第三部 航空経営論
7 航空サービスの費用:航空輸送サービス供給におけるコスト・ビヘービィア
8 航空企業のプランニング:経営企画(商品戦略策定)と経営管理
9 航空企業のマーケティング:航空商品の流通経路と販売戦略
第四部 航空経済論
10 航空サービスの需要と観光:需要の弾力性概念と観光業
11 航空運賃:運賃自由化とレベニュー・マネジメント
12 航空貨物:アジアにおける国際的工程間分業とインテグレーターの躍進
第五部 空港問題
13 わが国の空港制度と空港問題:整備から経営へ
14 空港経営:民営化・商業化の潮流(非航空系収入の重要性)
15 講義のまとめ、講評授業時間外学習 / Expected work outside of class
毎時間終了後、講義中に指示した重要な専門用語について復習(テキストの索引への転記)を行うこと。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)で評価する。
履修者数が多数になった場合は、「1.定期試験(筆記試験)の成績で評価する」に変更されることがあります。成績評価の方法の変更については、インフォメーションシステム等で連絡します。いずれにせよ筆記試験(100%)で評価します。履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
(1)激動期にある国際航空産業の特質と動向の理解。
(2)国際航空産業への経済・経営理論の適用とその限界の理解。
(3)国際航空産業の経済・経営分析の結果から政策的含意を読み取ること。
(4)以上の考察に必要な分析用具と基本概念に関連して講義中に説明する基本的専門用語の理解と習得。
- 教科書
Textbooks 髙橋 望・横見宗樹 『第2版 エアライン/エアポート・ビジネス入門』 法律文化社 978-4-589-03754-1
毎時間講義で使用するので、履修希望者は予め入手の上教室に持参されたい。改版して内容が異なっているので、旧版は持参しないように注意して下さい。
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参考書
References 髙橋 望 『米国航空規制緩和をめぐる諸議論の展開』 白桃書房 4-561-76126-8
ANA総合研究所編 『航空産業入門 第2版』 東洋経済新報社 978-4-492-76235-6
日本航空株式会社 エアライン・マネジメント インプレス 978-4-295-01505-5
グラハム著/中条・塩谷訳 『空港経営』 中央経済社 978-4-502-67810-3
他の参考書については、テキスト巻末の参考文献リストに詳しく紹介されています。
- フィードバックの方法
Feedback Method 成績評価は最終講義時間中の「到達度の確認」により行う予定であるので、終了後教室で講評を行うことでフィードバックに代えます。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 授業の前後に対応します。
- 備考
Other Comments 講義内容は専門性が高く試験問題も計算問題を含め難しいので、単位取得には相応の努力と基礎学力(中学校程度の代数学)が求められます。
テキストの重要個所について中心的に説明するので、テキストと共に蛍光ペン(色は自由)と赤のボールペン(ないしサインペン)を必ず持参して下さい。