- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 経
- 時間割コード
Course Code - 30643
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 国際経済学2
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 菅田 一
- 曜限
Day/Period - 火1
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
(本講義の内容は「国際経済学1」の続きである。)
『国際経済学』は国際経済問題の実物面の分析が中心となる「国際貿易論」と金融面を分析の主な対象とする「国際金融論」から構成される。分かりやすく言えば、前者ではモノ・サービスの国境を越えた取引について学び、後者ではカネの国境を越えた取引を学ぶ。本講義では主に前者に焦点を当てる。そして、経済学者が現実に観察される国際経済現象を如何にして分析し、その問題に対してどのような処方箋を与えるのかを理解するのが、本講義の目的である。
本講義では、「国際経済論1」で学んだ国際経済分析のための基本理論を使い、輸入関税などによる保護貿易を擁護する考え方を紹介する。また、GATT/WTOによる戦後の国際貿易体制を支えた自由貿易のルールについて解説を行う。さらに、FTA(自由貿易協定)の地球的な広がり、EUや北米、東アジアにおける経済統合の活発化、直接投資による企業活動のグローバル化など最新のトピックスを網羅する。
〔授業の進め方〕
毎週、講義資料を紙媒体で配布し、その資料に基づいてパワーポイントを使って講義を行います。授業の配布資料(パワーポイントによる授業スライド)は関大LMSにもアップロードします。受講生への連絡には関大LMSの「タイムライン」を用います。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(経済学部)
1.知識・技能
① 国際化と情報化の進展する現代にあって、社会に生じる多様な問題を総合的に理解できる幅広い教養を有している。
② ①の問題の解決策を経済学の立場から提示できる、あるいはその内容について経済学の基本原理及び専門知識を活用し理解できる。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
①経済学に関する幅広い知識を活かして溢れる情報の中から真に必要な情報を取得する能力、グローバルな視野を持って時代を切り拓くための国際性を身に付けている。
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・輸入関税や輸入数量割当に代わる保護主義的な政策としてどのような手段が登場しているのかについて学ぶ。
・世界全体で自由貿易を推進していこうとするGATT/WTO制度について経済学の観点から知識を深める。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・貿易制限的な保護主義政策は政策実施国の経済厚生を低下させるのに、なぜ実際には多くの国が保護主義政策を採るのかを経済学のツール(道具)を用いて理解できる。
・GATT/WTO主導のマルチラテラルな貿易自由化から、2国間貿易協定あるいは地域貿易協定といったバイラテラルな、リージョナルな貿易自由化へと世界が移行しているのはなぜかを経済学により解明する。
③主体的な態度の観点
・講義で修得した理論的な枠組みに基づいて日頃から日本経済新聞やビジネス・経済ニュースに接し、経済学的な観点から国際経済問題を捉えようとする習慣を身につける。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 授業ガイダンス、Unit 8 保護貿易を擁護する主張(1)
第2回 Unit 8 保護貿易を擁護する主張(2)
第3回 Unit 9 戦略的貿易政策(1)
第4回 Unit 9 戦略的貿易政策(2)
第5回 Unit 10 動学的規模の経済のもとでの貿易政策(1)
第6回 Unit 10 動学的規模の経済のもとでの貿易政策(2)
第7回 Unit 11 アンチダンピングとセーフガード(1)
第8回 Unit 11 アンチダンピングとセーフガード(2)
第9回 Unit 12 アンチダンピングとセーフガードの経済学(1)
第10回 Unit 12 アンチダンピングとセーフガードの経済学(2)
第11回 Unit 15 GATTとWTOの歴史と現状
第12回 Unit 16 GATTとWTOの制度
第13回 Unit 19 地域貿易協定の現状と制度
第14回 Unit 20 地域貿易協定の経済学
第15回 Unit 21 多国籍企業と直接投資授業時間外学習 / Expected work outside of class
毎回配布する授業配布資料の中の練習問題で、問題演習を行うこと。また、講義で学んだ知識を実践するためにも、日本経済新聞を毎日読むことを勧める。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
成績評価割合は定期試験(100%)。定期試験は論述式とする。ただし、履修者が多い場合、定期試験はマークシート形式になる。また、試験場への教科書・ノートなど持ち込みは一切認めない。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①以下の基準で評価します。
・大国の関税政策は交易条件を自国に有利にする。
・独占・寡占などの不完全競争市場における貿易政策:関税および輸出補助金の効果
・2国間FTA(バイラテラリズム)や地域経済統合(リージョナリズム)の制度
・多国籍企業による直接投資の動機
これらが理解できているかを論述式テスト(定期試験)で確認し、その点数で評価します。
②定期試験で60点以上取得すれば合格:90点以上は秀、80〜89点が優、70〜79点が良、60〜69点は可。
- 教科書
Textbooks 石川城太・菊地徹・椋寛 『国際経済学をつかむ<第2版>』 (有斐閣)
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参考書
References 浦田秀次郎・小川栄治・澤田康幸 『はじめて学ぶ国際経済 (有斐閣アルマ)』 (有斐閣) 貿易だけでなく、国際金融や開発経済についての入門的な解説がある。
ジョセフ・E・スティグリッツ/カール・E・ウォルシュ(藪下・秋山・蟻川・大久保木立・清野・宮田共訳) 『スティグリッツ・ミクロ経済学・第4版』 (東洋経済新報社) ミクロ経済学の辞書
ミクロ経済学の知識が不十分な受講生はスティグリッツ/ウォルシュ共著『スティグリッツ・ミクロ経済学・第4版』(東洋経済新報社)で各自復習しておくこと。
- フィードバックの方法
Feedback Method 練習問題の解説など授業内容で分からない部分等があれば、関大LMSを通じたメール機能で質問してください。メールで詳しく解説を行います。関大LMSの「授業スライド」にも、詳しい説明を掲載します。
また、授業終了直後に質問してもよいですし、説明が長くなるようであれば、オフィスアワーを遠慮なく使ってください。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact オフィスアワー 初回授業時にアナウンスします。
sugeta@kansai-u.ac.jp 宛にメールすることも可能です。
- 備考
Other Comments 本講義は「国際経済学1」の基礎知識を前提とする。また、関連科目である「国際金融論」「実証国際経済学」「国際政治経済学」も併せて履修することを勧める。