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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
30641
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
国際経済学1
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
菅田 一
曜限
Day/Period
火1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 『国際経済学』は国際経済問題の実物面の分析が中心となる「国際貿易論」と金融面を分析の主な対象とする「国際金融論」から構成される。分かりやすく言えば、前者ではモノ・サービスの国境を越えた取引について学び、後者ではカネの国境を越えた取引を学ぶ。本講義では主に前者に焦点を当てる。そして、経済学者が現実に観察される国際経済現象を如何にして分析し、その問題に対してどのような処方箋を与えるのかを理解するのが、本講義の目的である。
 講義の導入部分では、現代の国際貿易および海外直接投資を理解するために、実際のデータを紹介し、世界経済において現在、何が問題なのか提起する。それから、教科書を使いながら、まず、リカード・モデルを用いて、貿易が「比較優位」に基づいておこなわれることを理解する。
 次に、「ある国はその国に豊富に存在する生産要素を集約的に用いて生産される財を輸出し、その国に希少な生産要素を集約的に用いて生産される財を輸入する」というへクシャー=オリーンの定理や「国際間で生産要素の移動がなくても、財の自由貿易によって貿易に参加する国々の生産要素価格は等しくなる」という生産要素価格均等化定理等を証明する。
 上述のヘクシャー=オリーンの貿易理論は産業間貿易を説明するのに用いられるが、現代の国際貿易、特に先進国間では産業内貿易が顕著であるという事実を理論的に解明する「新しい貿易理論」を紹介する。最後に、関税や輸入割当など伝統的な貿易政策から、戦略的貿易政策やアンチダンピングとセーフガードなど現代の貿易政策について評価する。
〔授業の進め方〕
毎週、講義資料を紙媒体で配布し、その資料に基づいてパワーポイントを使って講義を行います。授業の配布資料(パワーポイントによる授業スライド)は関大LMSにもアップロードします。受講生への連絡には関大LMSの「タイムライン」を用います。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(経済学部)
1.知識・技能
  ① 国際化と情報化の進展する現代にあって、社会に生じる多様な問題を総合的に理解できる幅広い教養を有している。
  ② ①の問題の解決策を経済学の立場から提示できる、あるいはその内容について経済学の基本原理及び専門知識を活用し理解できる。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  ①経済学に関する幅広い知識を活かして溢れる情報の中から真に必要な情報を取得する能力、グローバルな視野を持って時代を切り拓くための国際性を身に付けている。

到達目標 / Course Objectives

①知識・技能の観点
・比較優位といった国際経済学の伝統的・基本的な考え方を身につけ、貿易が行われるメカニズムを理解する。
・企業の異質性(生産性格差)と国際貿易および直接投資に関する最新の知見までフォローできる。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・新聞の中の国際経済に関する記事を読み解き、何が問題なのかを国際的な視野で把握できるようになる。
・現実のさまざまな国際経済現象のメカニズムを経済学のツール(道具)で解明でき、その問題に処方箋(解決策)を与えることができる。
③主体的な態度の観点
・講義で修得した理論的な枠組みに基づいて日頃から日本経済新聞やビジネス・経済ニュースに接し、経済学的な観点から国際経済問題を捉えようとする習慣を身につける。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回  授業ガイダンス、Unit  0  国際経済学とは
第2回  Unit  1  比較優位と分業の利益
第3回  Unit  2  比較優位と国際貿易(1)
第4回  Unit  2  比較優位と国際貿易(2)
第5回  Unit  3  貿易利益(1)
第6回  Unit  3  貿易利益(2)
第7回  Unit  3  貿易利益(3)
第8回  Unit  4  比較優位の決定要因(1)
第9回  Unit  4  比較優位の決定要因(2)
第10回  Unit  5  産業間貿易と産業内貿易(1)
第11回  Unit  5  産業間貿易と産業内貿易(2)
第12回  Unit  6  規模の経済、製品差別化とフラグメンテーション(1)
第13回  Unit  6  規模の経済、製品差別化とフラグメンテーション(2)
第14回  Unit  7  関税・輸入割当の効果(1)
第15回  Unit  7  関税・輸入割当の効果(2)

授業時間外学習 / Expected work outside of class

毎回配布する授業配布資料の中の練習問題で、問題演習を行うこと。また、講義で学んだ知識を実践するためにも、日本経済新聞を毎日読むことを勧める。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
成績評価割合は定期試験(100%)。定期試験は論述式とする。ただし、履修者が多い場合、定期試験はマークシート形式となる。また、試験場への教科書・ノートなど持ち込みは一切認めない。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①以下の基準で評価します。
・機会費用の大小と比較優位の関係
・消費者余剰と生産者余剰の増減により、輸出国と輸入国の双方において貿易利益が発生する。
・規模の経済と製品差別化に基づく貿易の発生メカニズム
・輸入関税がもたらす「生産」と「消費」の歪みによる損失
これらが理解できているかを論述式テスト(定期試験)で確認し、その点数で評価します。
②定期試験で60点以上取得すれば合格:90点以上は秀、80〜89点が優、70〜79点が良、60〜69点は可。

教科書
Textbooks

石川城太・菊地徹・椋寛  『国際経済学をつかむ<第2版>』  (有斐閣)  

参考書
References

浦田秀次郎・小川栄治・澤田康幸  『はじめて学ぶ国際経済  (有斐閣アルマ)』  (有斐閣)  国際貿易および直接投資に関するデータが豊富に掲載されている。
ジョセフ・E・スティグリッツ/カール・E・ウォルシュ(藪下・秋山・蟻川・大久保・木立・清野・宮田共訳)  『スティグリッツ・ミクロ経済学・第4版』  (東洋経済新報社)  ミクロ経済学の辞書

ミクロ経済学の知識が不十分な受講生は、スティグリッツ/ウォルシュ共著『スティグリッツ・ミクロ経済学・第4版』(東洋経済新報社)で各自復習しておくこと。

フィードバックの方法
Feedback Method

練習問題の解説など授業内容で分からない部分等があれば、関大LMSを通じたメール機能で質問してください。メールで詳しく解説を行います。関大LMSの「授業スライド」にも、詳しい説明を掲載します。

また、授業終了直後に質問してもよいですし、説明が長くなるようであれば、オフィスアワーを遠慮なく使ってください。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

sugeta@kansai-u.ac.jp

備考
Other Comments

関連科目である「国際金融論」「実証国際経済学」「国際政治経済学」も併せて履修することを勧める。