- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 経
- 時間割コード
Course Code - 30625
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 行動経済学1
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 岡野 芳隆
- 曜限
Day/Period - 月2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
従来の経済学では「人間は自己利益を追求し、合理的に行動する」ことを前提として人間行動に関するモデルを構築し、さまざまな経済現象の説明を試みてきました。しかし、現実の私たち人間はというと、やらないといけないことを先延ばしにするし、言っていることとやっていることが違うこともあるし、人が喜んでくれたらうれしいと思うし、こっそり嘘をつくし、余計な選択肢に惑わされることもあります。現実の人間の行動をよく観察し、感情や非合理性といった心理的要因も含めて新たな人間モデルを構築し、より正確に現実の経済現象に対する理解を深めていこうというのが行動経済学といわれる分野です。
本講義では行動経済学に関する基本的なトピックを解説していきます。(1)従来の経済学ではどのような人間を考えているか(2)現実の人間はどうか(3)従来の経済理論をどう修正すれば良いか、といった内容が基本的な流れになります。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(経済学部)
1.知識・技能
① 国際化と情報化の進展する現代にあって、社会に生じる多様な問題を総合的に理解できる幅広い教養を有している。
② ①の問題の解決策を経済学の立場から提示できる、あるいはその内容について経済学の基本原理及び専門知識を活用し理解できる。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
①経済学に関する幅広い知識を活かして溢れる情報の中から真に必要な情報を取得する能力、グローバルな視野を持って時代を切り拓くための国際性を身に付けている。
② いかなる状況の変化に対しても深い洞察力を持って問題解決に向け「考動」できる。
3.主体的な態度
自身の役割に責任を持ち、他者と協働しながら経済学を体系的に修得している。そして、経済が直面する課題を自ら発見し、その解決に向けて主体的に取り組み、社会に積極的に貢献しようと努力できる。
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
経済実験、心理実験、フィールド実験、実証分析などを通じて明らかになった現実における人間の行動と、従来の経済理論が予測する人間の行動とがどう食い違うのかを理解する。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
現実に観察される人間のさまざまな行動を、行動経済学の立場から説明することができる。
③主体的な態度の観点
行動経済学の知見を活かして新しい政策・制度・仕組みの立案ができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回:行動経済学とは何か
第2回:アンカリング効果
第3回:利用可能性ヒューリスティック・代表性ヒューリスティック
第4回:ギャンブラーの錯誤・ホットハンドの錯誤
第5回:市場と限定合理性
第6回:心理会計・サンクコスト効果
第7回:時間選好・指数割引
第8回:双曲割引・選好逆転・現在バイアス
第9回:セルフコントロール・コミットメント
第10回:コミットメントのための政策・制度・仕組み
第11回:不確実性・期待効用理論
第12回:プロスペクト理論・確率加重関数・決定ウェイト
第13回:参照点
第14回:利得局面と損失局面・損失回避
第15回:損失回避の特徴と政策・制度・仕組みへの応用授業時間外学習 / Expected work outside of class
授業終了後に出される復習問題で自分の理解度を確認し、理解できていない場合は授業資料を読み返すこと。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
授業後の復習問題(5%)、宿題(15%)、定期試験(80%)基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
基礎的な概念や用語の定義・内容を問う設問
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
さまざまな経済現象を行動経済学の知見の範囲で解釈する設問
③主体的な態度の観点
さまざまな経済問題に対して、行動経済学の立場からどのような解決策を提示できるかを問う設問
- 教科書
Textbooks
教科書は指定しない。
-
参考書
References 筒井義郎、佐々木俊一郎、山根承子、グレッグ・マルデワ 行動経済学入門 東洋経済新報社 4492314970
リチャード・セイラー、キャス・サスティーン 実践行動経済学 日経BP 4822247473
Sanjit Dhami The Foundations of Behavioral Economic Analysis Oxford University Press 0198715536
- フィードバックの方法
Feedback Method 復習問題、宿題のフィードバックは、締め切り後にメールにてお知らせします。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 関大LMSのメッセージ機能を利用するか、または講義資料に記載されているメールアドレスにメールをください。
- 備考
Other Comments 「行動経済学2」も合わせて履修することが望ましい。
講義資料は授業日前日までに関大LMSに掲載します。印刷するかパソコンやタブレットにダウンロードするなどして授業に持参してください。