2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
文/経
時間割コード
Course Code
30679
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
アジア経済史1
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
西村 雄志
曜限
Day/Period
火3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 前期はアジアが本格的に欧米諸国に植民地化される19世紀後半までを対象時期とする。しかし、この講義では時期区分よりむしろ、問題対象を絞るかたちで進めていきたいと考えている。欧米諸国が本格的にアジアに進出してくる以前、アジアではどのような経済活動が行われていたのか、近年になって多くの素晴らしい研究が発表されてきている。インド洋交易圏や朝貢システムを基礎とした東アジア国際秩序の存在等、それら欧米諸国が関与していない独自の「纏まり」の存在が、欧米諸国が本格的にアジアに進出して植民地化を推進していくなかで、どのように変容し「再編」されたのか。この講義では19世紀末から現代まで続くアジア経済の「纏まり」の存在の端緒を皆さんとともに考えてみたいと思います。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(経済学部)
1.知識・技能
  ① 国際化と情報化の進展する現代にあって、社会に生じる多様な問題を総合的に理解できる幅広い教養を有している。
  ② ①の問題の解決策を経済学の立場から提示できる、あるいはその内容について経済学の基本原理及び専門知識を活用し理解できる。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  ①経済学に関する幅広い知識を活かして溢れる情報の中から真に必要な情報を取得する能力、グローバルな視野を持って時代を切り拓くための国際性を身に付けている。
  ② いかなる状況の変化に対しても深い洞察力を持って問題解決に向け「考動」できる。

到達目標 / Course Objectives

 21世紀の現在においても、アジアには様々な独自性を有した文化や慣習が存在し、それに基づく経済活動も色濃く残っています。それと同時にアジアには稲作を中心とした農業社会をはじめとして共通する土台らしいものが存在しているのも事実です。アジアには多様性と共通性が共存しています。ヨーロッパにも同様のものは存在しますが、アジアと比較すればその違いは大きなものとは言えません。この講義の達成目標は、こうしたアジアに存在する多様性と共通性を歴史的視座から捉え直すとともに、現在のアジア経済が発展する源流を受講して頂く各々が自分なりに考え理解して頂くことにあります。講義の内容を細かく覚えるのではなく、むしろ自分なりの問題関心を醸成して言って頂く事が大事な事だと考えます。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第01回:アジア経済史を学ぶ背景
第02回:国家、市場、共同体
第03回:稲作文化と労働集約的技術・労働吸収的制度
第04回:ムガール帝国の経済発展
第05回:K.N.チョードリのインド洋交易圏論と家島彦一
第06回:朝貢貿易システム論
第07回:明末清初以降の「華夷変態」
第08回:李氏朝鮮と琉球王国:属国と自主のあいだ
第09回:近世東南アジア経済の発展:アンソニー・リードの議論
第10回:グローバル化と銀:グローバリゼーションの歴史的起源
第11回:イギリス東インド会社とオランダ東インド会社
第12回:イギリス東インド会社の独占崩壊と中国貿易
第13回:中国の世界市場への統合に果たしたアヘンの役割
第14回:英系国際銀行の設立運動:香港上海銀行の事例
第15回:大分岐論:K.ポメランツの問題提起

※客員教授講演会やゲストスピーカーの招聘により講義計画を変更する場合があります。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

リーディングリストの文献を読むことや講義で取り上げた研究について自ら図書館等で調べることを求める。講義内容が理解できない場合は放置せずに自分自身で解決する努力をすること。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
定期試験(100%)

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

定期試験においては説得的・論理的な論考であることを求める。誤字脱字が少ない事や字がきれいである事に越した事はないが、可能な限り読み手に対する配慮があった方が評価は高まる。

教科書
Textbooks


教科書は指定しない。

参考書
References

濱下武志  朝貢システムと近代アジア  岩波書店  978-4000013826
K.  N.  Chaudhuri    Trade  and  Civilisation  in  the  Indian  Ocean:  An  Economic  History  from  the  Rise  of  Islam  to  1750  Cambridge  University  Press  978-0521242264
K・ポメランツ    大分岐―中国、ヨーロッパ、そして近代世界経済の形成―    名古屋大学出版会  978-4815808082

フィードバックの方法
Feedback Method

リーディングリストの文献も参考にしながら、取り上げた歴史的事象について多面的に考察する様に心掛ける。その上で疑問が残る場合は、オフィスアワー等で講義担当者に質問する。あらゆる疑問を放置せず、自分なりの答えを見出せるように努める。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワーは月曜日に予定している。具体的な時間は追って知らせる。事前にメールで必ずアポイントを入れる事<  tnishimu@kansai-u.ac.jp  >。

備考
Other Comments

成績評価は定期試験のみで行う。そのため出席点は加算しないが、ゲストスピーカーや客員教授講演会が入った場合はミニッツの提出を求め評価に加点する。

講義後にさらに理解を深めるためのリーディングリストは個々に活用して頂きたい。尚、講義のレジュメは事前に一定期間ダウンロード出来るようにする予定にしている。