- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 経
- 時間割コード
Course Code - 31021
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 商法1a(総則)
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 1
- 担任者名
Instructor - 笹本 幸祐
- 曜限
Day/Period - 木3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
<春>
講義(対面型)
言語 / Language
<春>
日本語(Japanese)授業概要 / Course Description
<春>
本講義では、商法総則および商行為法をその内容の中心とします。商法の初学者向けに、まず商法入門として、商法の全体構造を概観して、商法総則・商行為法以外の会社法、手形法・小切手法、保険法、海商法、消費者契約法、金融商品取引法、といった商法分野およびその隣接分野の諸法につき、その学習の手がかりを示します。商法総則については、個人事業主である商人がたとえば自己のショップを開店するために行うさまざまな取引や、開店後の取引を念頭に置いて検討します。その上で、その場合と会社が設立され、事業がスタートする場合と何がどのように違うのかを概観します。そして商行為法では、さまざまな商取引に関して民法における取引と比較しながら関係する諸規定の意義、立法趣旨、適用要件、法的効果を検討・考察しますから、民法の取引行為に関する諸知識が必要となりますので、受講生は各自が民法についても必要に応じて適宜調べて学ぶようにしてください。
本講義は、商法総則・商行為法に属する条文の丁寧な解釈および関連する裁判例の考察を主たる内容として行いますが、さまざまな問題点については、必要に応じて、法律学習に際して、知らなければ恥ずかしいと最近は当然のように考えられている「法と経済学」理論に基づく視点からの若干の検討を行うことがあります。一概に「法と経済学」理論といっても、多様な分析手段・方法が用いられていますが、本講義では、その中でも、ゲーム理論、情報・契約の経済学といった分析手段に注目しつつ、実社会で起きるトラブル(法的問題)を受講生諸君とともに考えてみたいと思っています。本講義は、私から何かを習うのではなく、私とともに考える場であることをぜひ認識したうえで受講してください。
今のところ、対面での運営を予定していますが、社会状況の変化によって仮にオンデマンド授業になった場合にも余裕で対応できるようにPCおよび通信環境等を整えておいてください。その場合には前年度同様にPCを使いこなして取り組むような内容の授業になります。
学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
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(法学部)
1.知識・技能
(1)制度に関する体系的知識
2.思考力・判断力・表現力等の能力
制度の正確な理解に基づいて問題状況を客観的に説明する力
規範や歴史的経験によって根拠づけられた説得的な議論を構成する力
到達目標 / Course Objectives
<春>
個人企業および商取引について、受講生諸君が何らかの興味を持つことができ、講義計画に掲げた内容について、司法試験や司法書士試験等の各種資格試験にも対応できる程度の基礎知識は必ずマスターできるようになることを主たる目標としています。
また、PCスキルは徹底的に磨いておかなければ、テレワークでのインターンシップ等に対応できなくなるので、常にPCスキルの上達を心がけるように取り組んでほしいと思います。
授業手法 / Teaching Methods
・前年度に引き続き、匿名での感想や意見を教員に伝えることができる投稿箱をLMSに設置する予定であり、それに対する回答集的なものを適宜掲載していくつもりです。
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
<春>
全15回の講義については、以下のような構成および順序・範囲で行うつもりですが、受講生の受講態度、理解度、および講義の進度によって、各回の内容を臨機応変に変更するつもりです。
商法の全体構造(商法の意義)
商法の法源(条約、慣習法、普通取引約款の拘束力)
商人と商行為(商行為の種類、商人資格の得喪)
営業財産(営業所・営業活動、営業譲渡・営業の担保化)
商業登記と商号(商業登記の効力、商号、名板貸)
商業使用人 (支配人等)
商行為法の全体構造(各種商取引についての概説・普通取引約款の合理性・不当条項規制)
商行為通論(迅速性、営利性、取引の安全性)
商事売買
交互計算・匿名組合
企業取引の補助者(代理商、仲立人、問屋)
寄託・場屋営業
(注)運送に関しては、海商法と併せて運送法として論じるので、そちらを受講してください。
授業時間外学習 / Expected work outside of class
<春>
自筆ノートの作成および充実に取り組むことが単位取得に直結するので、普段から配布物や聴講内容を自分の手でノートにまとめ直す作業が必要とされます。また、商法総則および商行為法は、民法の知識・理解がないと学習が困難であるばかりか、興味自体が失われる可能性がありますから、仮に民法の知識がおぼつかないのであれば、自分の努力で民法の知識を補うなどの幅広い学習意欲がない限り、講義内容の総合的理解は到底困難であろうと思います。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
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定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
定期試験の成績での評価(100%)
LMSで各講義回に配布する口述式講義案、および各種参考資料に基づいて受講生各自が作成した自筆ノートの参照を許可した上で、単なる丸写しでは解答できない、論述問題(基礎問題5問+応用問題1問)を出題します。基礎問題のみの解答は60点台までの評価しか与えられず、かつ、基礎問題で60点以上獲得できていない場合には応用問題の採点は行いません。
事前に試験問題の情報提供はしますが、授業内容がすべて試験範囲となるため、毎回の授業に対する積極的な参加が必然的に求められることになります。
合格率は履修登録者数によってある程度変動するものの定期試験の受験者数の約9割、不受験者も一定数いるので、全履修登録者数の概ね7割以上を目標値とします。例年不合格者はほぼ白紙の答案や問題の意味がわかっていないもの、明らかに記述が的外れなものがほとんどで大半が40点前半未満です。これに対して例年合格者の多くが70点以上を得点できていますので、成績分布は二極分化しています。
したがって普段から口述式講義案を熟読する習慣があり、適宜自分で別途ノートを作り上げるなどの通常の試験準備ができる者であればまず不合格にはなりませんが、最終回まで講義案に目も通さず、いきなり答案を書こうとする者は講義案の内容にふれることができないため満足な答案が書けずにほぼ不可になります。
また、試験がレポート評価に切り替わった場合には、Wordの書式設定等ができずに様式違反で不可になってしまう人もいますので、Wordを普通に使いこなせるようになっておいてください。
基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
<春>
評価に際しては、基礎問題については講義計画に掲げた内容に関する基本的な理解ができているか、応用問題については同内容に関する発展的な理解(設定事例などへのあてはめ、学説・判例の分析・検討など)ができているか、さらに答案構成力などを加味して、高得点者との答案内容の出来の差、および全受講生の得点分布をふまえて総合的に判断します。特に70点台の受講生の大半と比べてやや劣っている答案は可になる可能性がありますが、著しく劣っていると客観的に判断されうる答案は必然的に不可となります。
- 教科書
Textbooks <春>
神作裕之,藤田友敬(編) 『商法判例百選』 (有斐閣)
備 考 / Note=====================================
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参考書
References <春>
備 考 / Note=====================================
<春>
平成29年改正民法、平成30年改正商法に対応しているものであれば何でも可。
- フィードバックの方法
Feedback Method <春>
授業期間中にLMSで自由に投稿できる投稿箱を設置して、そこに投稿されたものの中から質問や意見についてはそれに対するコメントの形で公表して、疑問等を受講生間で共有化しつつ解決を図れるように効率的にフィードバックを行います。また、質問については、関大LMSからのメッセージによって常時受け付けますので安心してください。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact <春>
LMSのメッセージを利用して問い合わせをしてもらえれば臨機応変に対応します。
- 備考
Other Comments <春>
講義内容については、昨年度と同様に、授業をそのまま紙に起こした形での口述式講義案を配布しますが、授業回によっては数万字に及ぶ分量で内容が非常に濃いので、読まずに溜めてしまうと試験前には到底読みきれなくなるので、毎回の講義時に必ず一通り目を通す習慣をつけてください。補足その他必要とあれば適宜音声動画や、ペンタブレットによる画面共有を利用した形で図解その他の解説を配信することもありますが、その場合にはDropboxにUPして、urlへのリンクをLMSに掲示します。
口述式講義案のLMSへのUPは毎週の講義日の正午までに行う予定です。DLは毎回UPしてから1週間に限定しますので、必ずその期間内にDLして目を通すようにしてください。なお、講義案については、再配布はしませんので、試験直前にPCが壊れた等の事故に対処できるように、常にDLしたらクラウド等にバックアップをとるようにしてください。
出来不出来に関係なく、学習意欲のある学生を主たる対象として講義を進めたいと考えていますので、保険を扱う業界を志望する者の就職後の研修等にも十分耐えうる内容にするつもりです。
したがって、学究心のない学生は、ついていけなくなるだけでなく、結果的に単位を落とすことになりますから、安易な気持での履修は遠慮してください。
学習用六法の利用を否定するものではありませんが、最新の改正にも対応するために、この講義では、スマホやタブレット、ノートPCの利用による電子政府の総合窓口(e-Gov)での条文閲覧を推奨します。
社会状況の変化によって仮にオンデマンド授業になった場合にも余裕で対応できるようにPCおよび通信環境等を整えておいてください。それが就活でも絶対に役立ちますから。