2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
20718
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
学びの扉(映像文化)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
1
担任者名
Instructor
馬 定延/堀 潤之/菅原 慶乃/笹川 慶子
曜限
Day/Period
火5
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 この科目は、映像文化専修で何をどのように学ぶことができるのか、どのような教員によって指導を受けることができるのかなどを具体的に理解してもらうための入門講義です。

 この講義には3本の柱があります。1番目の柱は、映像の「分析的な見方」の基本的知識を身につけることです。普段、わたしたちはTVや映画やインターネットの映像など、身の回りにあふれる映像をなんとなく受け流しています。しかし、そうした映像はどのように組み立てられ、その構造はどのような効果を見る者にもたらしているのでしょうか? 基本的な「映像のリテラシー」を学ぶことによって、映像を批判的に、じっくりと読み解く練習をします。

 2番目の柱は、皆さんにとって身近なハリウッド映画だけでなく幅広い文化圏に広がる映画を学ぶことです。とりわけ国境を越えた映画や映画文化の伝播についてスポットライトを当てます。映画の揺籃であったヨーロッパ、20世紀初頭から今日に到るまで世界の映画界の中心であり続けたアメリカと、東アジアの映画界の間の映画史的影響関係に焦点をあて、映画のもつ地域的な特徴と普遍的な特徴の両者が交わってきた歴史を学びます。

 3番目の柱は、映画にとどまらないより広範な映像メディア全般についての理解を深めることです。自宅のテレビや自分のスマホに放送局やインターネット経由で映し出される映像から、街中の大型スクリーンや建造物へのプロジェクション・マッピング等を経て、美術館で目にすることも増えてきた映像作品まで、現在、映像はさまざまな形をとって至るところに溢れています。そのような映像の拡がりを見渡すことは、現代社会を理解するためにも欠かせません。

 デジタル技術の急速な発達と普及、メディアの多様化によって、映像はかつてない程に身近な存在となりました。今という時代を生きるわたしたちにとって、映像文化研究は「象牙の塔」のように閉じられたものではなく、わたしたちの日々の生活とかかわるアクチュアルなものであることを実感してもらいたいと思います。

到達目標 / Course Objectives

①知識・技能の観点
・映像を分析的に見るための基本的な考え方を身につける
・映像文化の地域的な広がりを理解する
・映像文化とメディア・テクノロジーとの関わりを理解する
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・映像文化のさまざまな事象について、的確な知識にもとづいて分析することができる

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回 イントロダクション

【映画技法のリテラシー1】
第2回 映画の形式とテーマ――『パンチドランク・ラブ』分析1(笹川)
第3回 映画の形式とテーマ――『パンチドランク・ラブ』分析2(笹川)
第4回 現代日本映画研究――3人の作家を比較する(笹川)
第5回 照明の美学――日本映画とハリウッド映画の影響関係(笹川)

【映画のなかの他者】
第6回 ハリウッド映画のなかの他者(菅原)
第7回 日本映画のなかの他者(菅原)
第8回 モンスターとしての他者(菅原)

【映画技法のリテラシー2】
第9回 ショット分析1――マックス・オフュルス『快楽』(1952)(堀)
第10回 ショット分析2――フランソワ・トリュフォー『アントワーヌとコレット』(1962)(堀)
第11回 レオス・カラックス『メルド』(2008)と映画史(堀・オンデマンド配信)

【現代美術と映像メディア】
第12回 ビデオと革命(馬)
第13回 美術館における光と闇(馬)
第14回 めぐりあう時空間――コロナ禍と私たち(馬)

第15回 まとめ(時間内テスト)

授業時間外学習 / Expected work outside of class

授業で取りあげられた映画作品や関連作品を課外で鑑賞することを強く推奨する。
また、課外で参考書籍を読むことも強く推奨する。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
原則として授業参加態度30%、まとめの時間内テスト70%とする。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能の観点
各回で取り上げた基本的な問題や概念について正しく理解できているかどうかを評価する。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
大学1年次生レベルに相応しい論理的な文章が書けているかどうかを評価する。

教科書
Textbooks


必要に応じて適宜、プリントを配布する。

参考書
References

デイヴィッド・ボードウェル  『フィルム・アート——映画芸術入門』    (名古屋大学出版)  
ジェイムズ・モナコ  『映画の教科書——どのように映画を読むか』  (フィルムアート社)  
ルイス・ジアネッティ  『映画技法のリテラシー』全2巻  (フィルムアート社)  
北野圭介  『新版 ハリウッド  100  年史講義——夢の工場から夢の王国へ』  (平凡社新書)  9784582858495
中条省平  『フランス映画史の誘惑』  (集英社新書)  
四方田犬彦  『日本映画史110  年』  (集英社新書)  9784087207521
加藤幹郎  『映画館と観客の文化史』  (中公新書)  
四方田犬彦他編  『スクリーンのなかの他者』  (岩波書店)  
門林岳史・増田展大編  『クリティカル・ワード メディア論——理論と歴史から〈今〉が学べる』  (フィルムアート社)  
吉見俊哉    『メディア文化論——メディアを学ぶ人のための15話』  (有斐閣アルマ)  

フィードバックの方法
Feedback Method

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

授業運営全般に関する事柄については笹川まで、各回の授業内容に関わる事柄については各担当者まで、関大LMSのメッセージ機能またはメールでご連絡いただくか、オフィスアワーに研究室までご来訪ください。

備考
Other Comments

・映像文化専修の学びの扉は、春学期・秋学期ともに、この時間帯(火曜・5限)のクラスのみ開講しています。

・この授業は第11回のみオンデマンド配信、他の回は対面で実施します。