- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 文
- 時間割コード
Course Code - 21871
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 心理学特殊講義b
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 石津 智大
- 曜限
Day/Period - 木3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
<秋>
講義(対面型)
言語 / Language
<秋>
日本語(Japanese)授業概要 / Course Description
<秋>
芸術と感性の心理学、認知脳科学である「神経美学」についての講義。多様なテーマをふくむ学際的分野であるこの分野を、主要な3つの過程1)知覚過程、2)意味づけ過程、3)創作過程に分け、関連する作品を紹介しつつ、各過程を実験美学、認知心理学、脳研究などの基礎から最新の実証データをとおして理解することを目指す。心理学と認知科学の観点から芸術と感性をみる一方、芸術の技法や感性についての哲学的考察を利用して認知とこころ、さらにその背後にある脳機能への理解を養う。
(卒論生などの実験への参加をお願いする場合があります)
到達目標 / Course Objectives
<秋>
①知識・技能の観点
認知神経科学、芸術と感性の心理学・認知科学についての概要、理論、研究手法の理解。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
主観と客観、芸術と科学の関係など学際的問題を多面的な視点から考えられる。
③主体的な態度の観点
芸術など人文学的な対象に科学的視点を持って考えられる。
授業手法 / Teaching Methods
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
<秋>
オリエンテーションと導入(1回)
実験美学から近年の脳との関係を扱う神経美学まで、芸術・美的感性の科学史を紹介し、芸術心理学の研究領域や手法について概説する。
知覚・認知からみる芸術(2~5回)
作品の物理的特徴(線、色、運動など)と知覚の仕組みとの対応関係を取り上げる。絵画の技法が視覚の仕組みの特性に則っていることを学ぶことで、作品を新たな角度で観賞することと、知覚の仕組みの理解を深化させることを目指す。また他の芸術様式、舞踏、音楽、詩歌を取り上げ、各様式の認知や美的判断について学ぶ。さらに、美醜などの判断の脳機能について神経美学研究にふれ、作品の認知モデルと、その脳機能を学ぶ。
意味づけ・価値づけからみる芸術(6~8回)
作品の物理的特徴とは直接関係のない情報(価格、口コミ、SNSや著名人のお墨付きなど)によって、「アートの価値」が形成され、柔軟に変化し、社会に共有されていく仕組みを学ぶ。口コミ効果、所蔵先・解説文などの文脈効果、同調バイアスと流行り・廃りなどを踏まえ、価値が形成、修飾される仕組みと、その脳内機構について学ぶ。また逆にプリミティブアート、頭足人、洞窟壁画などの題材をとおして、人類に普遍的にアピールするものについて考える。
創作・創造からみる芸術(9~11回)
創造性について芸術家の認知過程と脳内基盤、専門家のエキスパート知覚の特殊性について、即興演奏などを題材として学ぶ。さらに精神疾患や脳損傷による作風や創造性の変化について、パーキンソン病など臨床例を示しながら解説する。顔・人物像は最も数の多い創作テーマである。西洋画、浮世絵、写真、日米マンガ、化粧、さらに先史土偶など、様々なメディアの表現をとおして、顔・人物表現と与える印象の関係について学ぶ。
注目される旬のトピックス(12~14回)
1) なぜ悲しい音楽を楽しめるのか?悲劇やホラー作品などとともに「仮想の恐怖」を考える。2) 脳研究+美術史学の神経美術史学、認知科学+芸術学の認知芸術学や神経美学、作家と神経科学者のコラボレーションなどの実例をとおして、領域横断の可能性を学ぶ。3) 道徳美や身体醜形恐怖症などを取り上げ、芸術の枠をこえて感性認知がわたしたちの生活に与える影響を考える。
まとめ(15回)
なお、進行度・理解度によって内容を変更、前後させる場合がある。また、授業内容への質問・感想を書くミニッツペーパーへの回答・コメントの時間を設けている。
授業時間外学習 / Expected work outside of class
<秋>
参考書や適宜紹介する資料などで自学し、新たな疑問が生じた場合には、次の授業までに自分なりに調べたうえで質問すること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
<秋>
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
小テストまたはテスト(80%)、授業への積極的参加(20%)
小テストは関大LMSのテスト機能を使用して授業中、もしくは授業外に実施する。関大LMSへのアクセス準備をしておくこと。
ただし、出席率が6割に満たない場合は評価の対象としない。
基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
<秋>
①知識・技能の観点
芸術・感性心理学、神経美学についての理論、概念、実験法への理解、学際領域について理解している。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
主観と客観、芸術と科学の関係など学際的問題を多面的な視点から考えられる。
③主体的な態度の観点
芸術など人文学的な対象に科学的視点を持って考えられる。
- 教科書
Textbooks <秋>
備 考 / Note=====================================
<秋>
必要に応じて配布または紹介する。
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参考書
References <秋>
石津智大 『神経美学 ―美と芸術の脳科学―』 共立出版 978-4-320-00930-1
セミール・ゼキ 『脳は美をいかに感じるか ―ピカソやモネの見た世界―』 日本経済新聞社
エリック・カンデル 『なぜ脳はアートがわかるのか ―現代美術史から学ぶ脳科学入門―』 青土社
備 考 / Note=====================================
<秋>
他、適宜紹介する。
- フィードバックの方法
Feedback Method <秋>
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact <秋>
オフィスアワー:火曜木曜お昼休み(アポ取りしてください)
メール:t.ishizu@kansai-u.ac.jp
その他:先にLMSのメッセージ機能かメールで連絡してください。
- 備考
Other Comments <秋>
心理学専修でなくても受講できます