- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法/文/経/商/社/政策
- 時間割コード
Course Code - 21648
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 倫理学概論b
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 品川 哲彦
- 曜限
Day/Period - 金2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
倫理学(道徳哲学)と聞くと、倫理(道徳)を説くお説教だと思う人がいるかもしれない。それは誤解である。哲学とは、ふだんあたりまえと思われていることがらを根底から考えなおす営みである。したがって、倫理学とは倫理(道徳)についての哲学、つまり、社会生活のなかで自明ものとうけとられがちな倫理(道徳)を考えなおし、ついには、なぜ、倫理(道徳)的であるべきかと問いなおす学にほかならない。
倫理学概論bでは、現代の倫理学のきわめて重要なトピックである「正義」に焦点をあてて解説する。
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点 この授業の到達目標は、なによりも各倫理学説の内容の的確な理解であり、それをとおして倫理的問題を考察する能力の習得にある。
②思考力・判断力・表現力の能力の観点 倫理学は道徳哲学とも称し、哲学の一部門をなす。哲学とは、あたりまえと思われていることがらを根本から考え直す営みであって、子の哲学的思考力、諸思想の相違を見極める判断力、学んだ概念を的確に使える表現力の涵養をめざす。
③主体的な態度の観点 道徳(倫理)とは社会の構成員が共有する生活のルールだが、道徳哲学(倫理学)とはその道徳(倫理)を根本から考え直す営みである。それを学ぶことをとおして主体的に考え、生きる態度を身につける。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
<正義の概念>
§1 正義の概念(アリストテレス)
§2 正義と善(キケロ、トマス・アクィナス)
<リベラリズムとその系譜>
§3 ロックの社会契約論
§4 ロールズの社会契約論
§5 リバタリアニズム
<共同体主義とその系譜>
§6 共同体主義
§7 アリストテレスの徳倫理
§8 ヘーゲル① 弁証法という思考法
§9 ヘーゲル② 人倫と道徳
<倫理と道徳の調停>
§10 討議倫理学
<正義・権利を基底とする倫理にたいする異議申し立て>
§11 正義の倫理とケアの倫理① コールバーグの道徳性発達心理学理論
§12 正義の倫理とケアの倫理② ギリガンの道徳性発達心理学理論
§13 責任という原理(ヨナス)
§14 正義概念の脱構築(レヴィナス、デリダ)
§15 まとめと試験授業時間外学習 / Expected work outside of class
予習: 教科書の次週にやるところを読んでおくこと。
復習: インターネットを利用した小テスト(Web Class)を利用して、毎回、前週の授業内容についての小テストを行います。教科書やノートをみれば分かる程度の設問です。解答のための時間的余裕は、原則として、授業日の夜(ないし授業日の翌日)から次の授業日の前日(ないし当日)までです。Web Classは、ネットにつながっているパソコンがあれば自宅からも受験できますし、自宅のパソコン環境がそのようでなければ、学内のITセンターなどから受験できます。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
インターネット(Web Class)による小テスト(60%)、定期試験(筆記試験)(40%)基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
講義概要に記したこの授業の到達目標①②のうち、①については、インターネットによる小テストによってその知識の正確さに応じて、②については、筆記試験によって問題の説明能力と論理的思考力によって到達度を査定する。
- 教科書
Textbooks 品川哲彦 倫理学の話 ナカニシヤ出版
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参考書
References リチャード・ノーマン 『道徳の哲学者たち 第2版』 ナカニシヤ出版 後期授業を理解するための倫理学史の基礎知識の整理に適。
宇都宮芳明・熊野純彦編 『倫理学を学ぶ人のために』 世界思想社 主題別に議論を紹介。
藤原保信 『自由主義の再検討』 岩波書店(岩波新書) 授業で扱う思想の多くをカヴァー。
品川哲彦 『正義と境を接するもの 責任という原理とケアの倫理』 ナカニシヤ出版 授業で扱う「正義を基礎とする倫理理論」とそれに対立する思想とを論じた著作。
担当者のホームページ(http://www2.itc.kansai-u.ac.jp/~tsina/)の倫理学の説明を参照されたい。
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact オフィスアワー メールで(アドレスは下記)事前のアポイントメントを望む。
その他 tsina[at]kansai-u.ac.jp
- 備考
Other Comments 後期の授業内容は、前期の授業内容を基礎としている部分が多い。できれば、前期から履修することを勧めます。
哲学・倫理学を学ぶ学生、公民・地歴・社会科をはじめとする教職免許を取得したい学生に対して、倫理学の基本的知識が確実に身につく内容の授業をすることを約束しますが、そのためには、予習し、授業に望み、復習小テストを受けることが必要です。授業中に私語をしたり、他の授業の準備をしたりするような注意散漫な学生、欠席がちな学生はもちろん、たんに単位だけがほしい学生は履修しない方が賢明です。
1年生から履修できますが、専門科目ですから2年になってからの履修でも十分です。