- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法
- 時間割コード
Course Code - 11213
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 展開講義2(金融商品取引)
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 上田 真二
- 曜限
Day/Period - 木3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
この授業は、金融商品取引法を対象とし、同法の基本概念および基本構造を中心に概説的に講義する。
金融商品取引法は、平成18年に旧証券取引法を改正する形で制定されたが、金融先物取引法や投資顧問業法なども統合し、投資商品や資本市場に対する横断的な規制を実現したといわれている。
授業では、金融商品取引法の基本概念および基本構造を解説することに重点をおくが、同法に関わる(とりわけ近時の)事案や重要判例についてもできる限り触れることとする。また、金融商品取引法(旧証券取引法を含め)は、英米の法規制を参考に制定された経緯もあることから、外国法にも適宜言及したい。
最後に、金融商品取引法は主として上場会社をその適用対象としていることから、会社法との関連も意識して授業を進めていくが、会社法と同様、条文が複雑で分量も多く、受講者はその点にも留意されたい。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
金融商品取引法の基本概念および基本構造を理解すること
金融商品取引法に関わる近時の事案や重要判例について把握すること
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
解釈上の問題点について、判例および学説の立場で考えることができる
自分で理解したことを口頭で分かりやすく人に説明できる
③主体的な態度の観点
自らの学習を振り返り、適切な改善点を挙げることができる授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 ガイダンス・概要
授業の進め方や教科書等について説明を行う。金融商品取引法の概要について、目的規定を中心に、説明を行う。
第2回 資本市場と金融商品取引法
資本市場の仕組み、金融商品取引法の制定の歴史、目的、適用対象について説明を行う。同法の基本概念(投資家、金融商品取引業など)についても併せて解説する。
第3回 有価証券の発行
会社等が有価証券を発行し資金調達を行う場面(発行市場)を対象に、ディスクロージャー制度を中心に解説する。
第4回 上場会社のディスクロージャー(1)
いわゆる流通市場を対象に、株式等を上場する会社等に課されるディスクロージャー制度を解説する。
第5回 上場会社のディスクロージャー(2)
ディスクロージャーの実効性を確保するための制度および近時の重要事例について説明を行う。
第6回 公開買付けの規制(1)
株式の大量取得に関わる公開買付規制について説明を行う。とくに公開買付規制の趣旨から同規制の適用範囲を中心に解説する。
第7回 公開買付けの規制(2)
公開買付規制のうち、手続規制・取引規制を中心に解説し、併せて、大量保有報告規制についても扱う。
第8回 市場における有価証券の売買・デリバティブ取引
金融商品取引法の適用対象が、有価証券の取引とデリバティブ取引であることを前提に、金融商品取引所(証券取引所)における取引に対する規制を解説する。
第9回 市場における不公正な取引の禁止(1)
不公正取引の典型であるインサイダー取引について、規制の根拠、構造を説明し、近時の摘発事例や未然防止のための制度についても触れる。
第10回 市場における不公正な取引の禁止(2)
インサイダー取引以外の不公正取引を採り上げる。とくに相場操縦を中心に規制の概要を説明する。
第11回 有価証券の売買・デリバティブ取引の勧誘
投資者が投資を行う場合、金融商品取引業者の勧誘が契機となることが多い。金融商品取引法が、金融商品取引業者の勧誘に対して、いかなる規律を及ぼすのかをみていく。
第12回 金融商品取引業の規制
どのような行為を業として行えば、金融商品取引業として規制が及ぶのか。いわゆる業(者)規制の構造を解説する。
第13回 金融商品取引法のエンフォースメント
金融商品取引法の規制に違反した場合の制度(措置)について解説する。とくに課徴金や私人によるエンフォースメントに注目する。
第14回 金融商品取引法の課題
金融商品取引法は、いわゆる「金融サービス法」のステップに過ぎないとされている。今後の「金融サービス法」制定に向けての課題について解説する。
第15回 近時の重要裁判例・補論
これまでの内容に関わる近時の重要裁判例を採り上げて解説する。さらに、これまでの内容について、重要な点をまとめるとともに、(詳しく扱いきれなかった内容について)掘り下げて解説する。授業時間外学習 / Expected work outside of class
事前に(下記指定の)教科書に目を通したうえで受講することが望ましい。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
【重要】
【成績評価方法の変更(2025年5月1日)】
平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
具体的には、関大LMSを利用した小テスト・レポート等で行う。
以上の通り、変更する。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
金融商品取引法の基本概念および基本構造を正しく理解しているか、同法に関わる近時の事案や重要判例についてその内容等を正しく把握しているか
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
判例および学説の立場で考えることができるか
③主体的な態度の観点
質疑応答を含めた授業(学習)への取り組み
- 教科書
Textbooks 黒沼悦郎 『金融商品取引法入門』 (日経文庫) 9784532113889
教科書は、改訂される可能性もあるので(シラバス執筆時点では第8版が最新)、早めに入手する必要はありません。
講義では、最新のもの(最新版)を使用するが、初回の講義の際に、簡単な説明を行う(初回の講義の際までに入手しておく必要はない)。
金融商品取引法が掲載された六法を必ず持参のこと。
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参考書
References 黒沼悦郎 『金融商品取引法[第2版]』 (有斐閣)
山下友信=神田秀樹(編) 『金融商品取引法概説[第2版]』 (有斐閣)
河本一郎=大武泰南=川口恭弘 『新・金融商品取引法読本』 (有斐閣)
川口恭弘 金融商品取引法への誘い (有斐閣) 9784641137974
近藤光男=吉原和志=黒沼悦郎 『金融商品取引法入門[第4版]』 (商事法務)
その他については、講義の際に適宜指示する。
これらの参考書を参照する場合にも、最新のもの(最新版)を使用する。
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 授業の前後、関大LMSのメッセージで対応する。
- 備考
Other Comments 【重要(上記の成績評価の方法にも記載)】
【成績評価方法の変更(2025年5月1日)】
平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
具体的には、関大LMSを利用した小テスト・レポート等で行う。
以上の通り、変更する。
金融商品取引法が掲載された六法を必ず持参のこと。
金融商品取引法は、先にも述べたように、条文が複雑であり、また分量も多く、さらには会社法の理解も要求されることから、受講にあたってはその点に留意すること。
また、金融商品取引法に関わる近時の事案や重要判例を扱う点からは、とりわけ経済社会の動向に関心のある者の受講を望む。
先にも記載している通り、成績評価方法を変更する場合は、インフォメーションシステム等で連絡する。