2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
法/文/商
時間割コード
Course Code
11002
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
西洋法制史2
(12世紀以後のヨーロッパの法)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
粟辻 悠
曜限
Day/Period
水2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

なぜ西洋の法の歴史を、遥かに離れたこの現代日本で学ぶのか。
それは今を生きる私たちの法が、西洋の法をあらゆる分野で取り入れることによって形成されてきたからである。
私たちが自らのルーツを知ろうとするとき、法については日本の歴史だけでなく、西洋の歴史を学ばないわけにはいかない。

この講義では、特に西洋において「法学」という学問が誕生(再誕)して以降の展開を扱う。私たちが「法」という言葉を聞いたとき、それは「大学で学ぶもの」であり、基本的には「国家法」のことであり、「プロの法律家」が扱うべきものであり、「私たちの生活の隅々にまで行き渡っている」と考えてしまうのではないだろうか。しかしこれらの発想は全て「法学」の歴史的展開とともに西洋で生まれてきた「思い込み」であり、「法学」なくしては生まれなかった観念と言っても過言ではない。

西洋法制史1の授業では、現代の法に対して内容的には大きく影響を与えつつも、全く異なる世界を前提にしていた時期の法を中心的に扱っていた。それに対してこちらの授業では「法学」を軸として、より直接的な現代世界への影響関係を扱うことになる。ただし、現代とは似て非なる法世界としての各時代の特質についても、当時の人々の考え方を私たちに伝えてくれる様々な史料を紹介しながら、随所で触れていきたい。

最後に、単に対象とする知識を得てもらうのみならず、法の歴史を学ぶ方法論(どのようなやり方で法の歴史を知るか)についても、講義の中で基本的な理解を得てもらえるように工夫したい。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(法学部)
1.知識・技能
  (2)概念や理論に関する知識
  (3)歴史や思想に関する知識
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  制度の正確な理解に基づいて問題状況を客観的に説明する力

到達目標 / Course Objectives

1.西洋の法の歴史的展開について、基礎的な知識を修得する。
2.各時代の法をめぐる実情につき、基礎的な知識を修得する。
3.法の歴史を学ぶ方法について、理解を深める。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

*西洋法制史1の受講は前提としないので、その範囲についても第一回~第三回でダイジェスト的に紹介している。

第一回 導入―西洋法制史とは何か
第二回 古代の法―ローマ法をめぐって
第三回 古代から中世へ―ローマ法なき世界
第四回 中世の法(1)―ローマ法の再発見
第五回 中世の法(2)―多様で重層的な法世界
第六回 中世の法(3)―学識法の展開
第七回 中世から近世へ―人文主義法学
第八回 異なる視角から―ローマ的裁判の「復活」?
第九回 近世の法(1)―ドイツにおけるローマ法継受
第十回 近世の法(2)―近世自然法論
第十一回 近世から近代へ―国家法典の編纂
第十二回 近代の法(1)―法典編纂と歴史法学
第十三回 近代の法(2)―西洋法の「世界化」
第十四回 具体的な一例―スイス法制史
第十五回 まとめ 

授業時間外学習 / Expected work outside of class

見慣れない、聞き慣れない言葉の多い授業になるため、とりわけ日々の復習を推奨する。

個別的な知識を暗記するよりも、各回の講義内容を相互に関連付けて、歴史の大きな流れ(いわば講義全体の見取り図)を把握することに力を注いでほしい。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)で評価する。
到達度の確認(100%)
*全て持ち込み可の試験であり、知識の暗記量を問うものではない。

履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

1.西洋の法の歴史的展開について、基礎的な知識を修得できたか。
2.各時代の法をめぐる実情につき、基礎的な知識を修得できたか。
3.法の歴史を学ぶ方法について、理解を深められたか。

教科書
Textbooks

勝田有恒・森征一・山内進 編著  『概説 西洋法制史』  ミネルヴァ書房  

参考書
References

ピーター・スタイン著、屋敷二郎監訳/関良徳・藤本幸二訳  『ローマ法とヨーロッパ』  ミネルヴァ書房  

テーマが非常に広い範囲にわたるため、より具体的な参考文献は適宜指示する。

フィードバックの方法
Feedback Method

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

メールアドレス
awatsuji@kansai-u.ac.jp

備考
Other Comments

毎回のレジュメは、事前に関大LMSにアップロードするので、各自ダウンロード・印刷するなどして持参すること。