2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
11054
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
民法7
(親族)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
1
担任者名
Instructor
松尾 知子
曜限
Day/Period
火2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 家族⽣活は、⼈間の共同⽣活の出発点となっているといわれます。しかし、皆さんの中には、そもそも家族とは何であるのか、家族であるからどうなのかといった疑問があるでしょう。家族について法で規制する必要などあるのかといった疑問もまたもっともです。そのような疑問を解明していくのが本講義の目的です。
 本講義は、⺠法中、⼀般にまとめて家族法と呼ばれている部分をその対象としますが、21世紀を迎えてから、⽇本はもとより世界の国々における家族関係の変化には著しいものがあり、まさに、世界的に家族の意義の再発⾒が求められています。そのような中で、家族法も転換期にあり、世界的潮流の中における我が国の改正の動きにも注目されなければなりません。そこで、本講義では、現代家族法の抱える問題点をできるだけ網羅的にとり上げながら、講義を進めていくつもりです。2018年に成立した相続法改正の中の配偶者の居住権保護、相続人以外の者の貢献の考慮等、2019年に成立した特別養子制度の改正、2020年に成立した生殖補助医療により出生した子の親子関係についての法律については、少し時間をかけることになりましょう。また、2022年に成立し、既に施行されている親子法制の見直し(懲戒権及び嫡出推定・認知制度に関する規定等の見直し)は重要で、しっかりお話をしなければなりません。さらに、未施行ですが、2024年に成立した父母の離婚後等の子の養育に関する見直しは、メディアでも注目され、きわめて重要な改正として、授業でお話する以上に皆さん自身でも調べて、把握する必要がある内容となっています。
 皆さんが理解しやすいよう、講義の進⾏は、条⽂の順序に従わず、構成されています(予習・復習の際には、その点に注意すること)。しかし、条⽂⾃体は、⺠法、さらに⺠法に関連する諸法規も含め、必要と思われる場合、講義中にしばしば参照します。したがって、六法の携帯は必須です。講義は、板書とレジュメを併⽤して進めます。教科書によってカバーできない詳細な内容及び最新の情報が随時盛り込まれますので、その点には特に注意してください(判例の検討も理解を深めるためには重要ですが、講義中に個々の判例を詳しく説明することは困難なので、講義中に指⽰する判例については、各⾃で各種判例集、判例解説書等にあたってほしいと思います)。教科書・参考書等は、講義中に参照することはないので、必ずしも携帯する必要はありません。予習・復習⽤に、特に、講義後に、その内容を確認・整理・補充するために⽤いてください。ただ、法律⽤語辞典については、各⾃が、講義中に、忘れてしまった⽤語について、すぐに簡易に参照することができるので、携帯することをすすめます(例えば『法律学⼩辞典』(有斐閣))。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(法学部)
1.知識・技能
  (1)制度に関する体系的知識
  (2)概念や理論に関する知識
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  制度の正確な理解に基づいて問題状況を客観的に説明する力
  規範や歴史的経験によって根拠づけられた説得的な議論を構成する力

到達目標 / Course Objectives

①知識・技能の観点
 家族法の基礎知識の修得。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点・③主体的な態度の観点
 講義では現代の家族法が抱える問題にも触れますので、受講者それぞれが、自分なりの視点からこのような問題を考察してみてほしいと思います。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

 主に民法第4編・親族を対象とします。講義は、大まかに以下のような進行となります。 
第1回   講義の方針・教材、序論 
第2回   婚姻法の沿革と現代的課題、婚姻の成立(1) 
第3回   婚姻の成立(2)、家事紛争処理手続 
第4回   婚姻の効力 
第5回   夫婦財産制 
第6回   離婚法の沿革と現代的課題、離婚の成立(1)
第7回   離婚の成立(2)、離婚の効果(1) 
第8回   離婚の効果(2) 
第9回   婚約・内縁 
第10回 親子法の沿革と現代的課題、実子 
第11回 養子 
第12回 人工生殖、氏名と戸籍 
第13回 親権・後見 
第14回 扶養 
第15回 まとめ

授業時間外学習 / Expected work outside of class

 レジュメは、事前配付いたしますので、予習をされる方は、そのレジュメに示される内容ないし教科書の頁を参考にしてください(予習は、レジュメないし教科書の該当部分のわからない言葉を法律学辞典で引いておく、そこに挙がっている条文に目を通しておく、ことを優先するとよいと思います)。担当者は、自分で講義内容のノートを作成することを重要と考えています。復習については、このノートを主として用い、補助的に教科書を、講義の内容の確認・整理・補充のために用いてください(復習するために教科書を用いるときは、定義、制度趣旨、要件、効果を色分けして、整理するとよいと思います。判例、学説の対立も色分けすればさらによいでしょう)。よく理解できないところがあるときは、体系書、注釈書で確認し、問題状況がよく見えてこないときは、挙がっている裁判例にあたりましょう!

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
 12月に実施予定の小レポート試験(10%)、学期末に実施予定の筆記試験による学力確認(90%)の点数によって評価いたします。講義中に他人に迷惑をかける行為を行ったものについては、単位を認定しません。

 履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
 成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能の観点
 到達目標達成度―家族法の「基礎知識」の修得の程度及び「最新情報」への関心の程度により評価します(特に学期末筆記試験)。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点・③主体的な態度の観点
 上記の達成度を、思考力・表現力等の観点から、小レポート試験によっても評価します。

教科書
Textbooks

犬伏由子・石井美智子・常岡史子・松尾知子  NOMIKA5親族・相続法 第3版  (弘文堂)  

※ 民法7の領域については、2024年に大きな改正があったため、授業の開始までに、教科書の変更の可能性があることをお伝えしておきます。

※ 六法を「毎回」持参。

※ 教科書2021年7月訂正
https://www.koubundou.co.jp/files/30321_1.pdf
※ 教科書2022年2月補遺(重要!)
https://www.koubundou.co.jp/files/30321_2.pdf

参考書
References

水野紀子・大村敦志      編  『民法判例百選Ⅲ』  (有斐閣)  
松本恒雄・潮見佳男 編  『判例プラクティス民法Ⅲ』  (信山社)  
二宮周平・潮見佳男 編著  『新・判例ハンドブック【親族・相続】』  (日本評論社)  

その他は、授業中に指示。

フィードバックの方法
Feedback Method

備考欄を参照

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

備考欄を参照

備考
Other Comments

 六法は「毎回」持参。六法不携帯の受講は認めません。
 毎回の講義にきちんと出席すること。
※  授業内容を問う形で1~2回出席をとることもありますが、あくまでも加点評価です(マイナスはしません)。
 連絡は、「関大LMS」にて行ってまいります。
 レジュメ・予習用資料は、事前に、「関大LMS」に直接か、「DROPBOX」にアップロードいたします。
 事後的に、復習・発展学習用資料がある場合も同様の方法をとります。
 レジュメ・資料は、原則として「講義日から2週間後の同じ曜日にあたる日」までアップされています。延長・再アップはいたしませんので、くれぐれもご注意ください。レジュメ・資料についてのバックアップ・プリントアウトを「必ず」行ってください。
 授業に関するご質問・回答については、授業後に対応するほか、「関大LMSメッセージ」を用います。
 課題などを実施する場合も、「関大LMS」を用います。