- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法
- 時間割コード
Course Code - 10561
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 基礎法学
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 1
- 担任者名
Instructor - 市原 靖久
- 曜限
Day/Period - 火3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
〔講義テーマ〕 「権利」― コトバと思想 ―
日本語の「権利」というコトバは、right(英語)、Recht(ドイツ語)、droit(フランス語)などの訳語として、明治前期から使われるようになりましたが、もともとあった「権利」という漢語と「権利」と訳されたこれら西洋語の間には、微妙な意味のズレがありました。
この講義では、これら西洋語の起源になっているラテン語の iusという概念の歴史をたどりながら、ヨーロッパの人々が ius というものをどのようにとらえてきたのかについて確認するとともに、そのようなとらえ方は日本など非西洋には存在しなかったのかという問題についても考えていきます。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(法学部)
1.知識・技能
(2)概念や理論に関する知識
(3)歴史や思想に関する知識
2.思考力・判断力・表現力等の能力
規範や歴史的経験によって根拠づけられた説得的な議論を構成する力
到達目標 / Course Objectives
(1)知識・技能の観点
法学の体系や基礎法学の諸分野について説明することができる。また、西洋的権利概念の成立について、ius 概念の歴史的変遷をたどりながら説明することができる。
(2)思考力・判断力・表現力等の能力の観点
西洋的権利概念の成立とその歴史的背景や西洋的権利概念の「普遍性」に関連する論点について、信頼できる情報に基づいて自分の考えをまとめ、それを明晰に表現することができる。
(3)主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度の観点
主体的に授業に参加するとともに、自主的に参考文献にも目を通し、異なる理解や意見とも対話しつつ、自らの意見を形成することができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第01回 オリエンテーション:授業概要・到達目標、授業計画、成績評価の方法・基準・評価、教科書、参考書などの確認
第02回 法と思想・哲学・歴史:法解釈学と基礎法学の違い
第03回 基礎法学とはどのような学問か(1):法学の学問体系
第04回 基礎法学とはどのような学問か(2):基礎法学の諸分野
第05回 「概念史」という方法について:社会、思想、概念、歴史
第06回 「権利」と right:日本語と西洋語における意味のズレ
第07回 ius の概念史(1):学説史の通観、古典古代における ius の意味(配分的正義)
第08回 ius の概念史(2):12世紀における ius の意味(注釈学派、デクレティスト)
第09回 ius の概念史(3):13世紀後半から14世紀前半における ius の意味(トマス、オッカム)
第10回 ius の概念史(4):14世紀末から15世紀初頭における ius の意味(ジェルソン)
第11回 ius の概念史(5):16世紀における ius の意味(スペイン近世スコラ学派、グロティウス)
第12回 ius の概念史(6):17世紀における ius の意味(ホッブズ)
第13回 ius の概念史(7):18世紀以降における ius の意味(ヘーゲル、イェーリング)
第14回 西洋的 ius 概念は普遍的か:文化と法の関係
第15回 講義全体のまとめ授業時間外学習 / Expected work outside of class
予習:授業前に関大LMSに設定されているスライド(講義用スライド)を見て、おおよその授業内容を把握しておくこと。
復習:授業後に関大LMSに設定されているスライド(自習用添付資料)を使って、キーワードを中心に学習内容を復習しておくこと。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験(筆記試験) 50%
平常成績(小テスト) 50%基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
(1)知識・技能の観点
平常成績(小テスト)(授業で取り上げられた概念や論点などに関する選択式問題に解答する。)、定期試験(筆記試験)(西洋的権利概念成立の思想史的背景や西洋的権利概念の「普遍性」に関連する記述・論述式問題に解答する。)で評価する。
(2)思考力・判断力・表現力等の能力の観点
定期試験(筆記試験)で評価する。
(3)主体的を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度の観点
平常成績(小テスト)、定期試験(筆記試験)で評価する。
- 教科書
Textbooks
市販の教科書は使用しません。市原が作成したスライド[講義用スライドおよび自習用添付資料](関大LMSから閲覧・ダウンロード可能)を使用して授業を進めます。
-
参考書
References 加藤周一=丸山眞男(校注) 『日本近代思想体系 翻訳の思想』 (岩波書店、1991) ISBN: 4002300153
古賀敬太(編著) 『政治概念の歴史的展開 第1巻』 (晃洋書房、2004) ISBN: 9784771014954
竹下賢=角田猛之=市原靖久=桜井徹(編) 『はじめて学ぶ法哲学・法思想――古典で読み解く21のトピック――』 (ミネルヴァ書房、2010) ISBN: 9784623056088
ネル、クヌート・ヴォルフガング(村上淳一訳) 『ヨーロッパ法史入門――権利保護の歴史――』 (東京大学出版会、1999) ISBN: 9784130323161
・配列は編著者姓の50音順によります。
・現在、入手困難な参考書も含まれていますが、図書館にはすべて所蔵されています。
・講義の各項目に関連する個別的な参考書については、講義のなかで言及します。
- フィードバックの方法
Feedback Method 最終成績の全体的傾向(合格率や成績評価の内訳[秀優良可不可の割合] など)については、春学期4年次生成績発表日の前後に、関大LMSの「お知らせ」で通知します。なお、個別の合否についての問い合わせには応じられません。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 関大LMSの「メッセージ」機能で連絡してください。
- 備考
Other Comments 【成績評価方法の変更について】(2025年4月28日)
履修者数が教室の試験定員を超過したため「成績評価の方法」及び関連箇所を変更しました。
【関大LMSの利用について】(2025年4月1日)
1. 教材の設定と利用可能期間
この科目では、原則として、二つの教材(スライド、小テスト)が授業日に先立って関大LMSに設定されます。その他、必要に応じて参考資料や補足説明の教材が設定されることがあります。
スライドおよび小テストの利用可能期間は、原則として、次のとおりです。
(1)スライド(講義用スライドおよび自習用添付資料)は、各授業日の1週間前午前9時から学期終了日まで利用(閲覧・ダウンロード)可能です。
(2)小テストは、1回目および15回目を除く各授業日の午前9時から1週間のみ利用(解答)可能です。
2. 担任者と履修者の連絡方法
担任者から履修者へ、履修者から担任者への、関大LMSを用いた連絡方法は、原則として、次のとおりです。
(1)担任者から履修者全員への連絡には関大LMSの「お知らせ」または「タイムライン」を用います。
(2)担任者から特定の履修者への連絡には関大LMSの「メッセージ」を用います。
(3)履修者から担任者への連絡(質問や問合わせ)には関大LMSの「メッセージ」を用いてください。