- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法/文
- 時間割コード
Course Code - 11052
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 民法6
(債権各論) - 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 1
- 担任者名
Instructor - 下村 正明
- 曜限
Day/Period - 火4
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
民法体系上、債権各側に関する講義として、民法総則・債権総則の諸規定の原則的適用を前提に、約定債権関係及び法定債権関係に固有の基本的諸法理につき、どのような事実が紛争当事者のいずれを利するかという観点(法律要件分類)を重視し、「紛争解決のために躍動する民法」への案内をめざして講述する。
学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(法学部)
1.知識・技能
(1)制度に関する体系的知識
2.思考力・判断力・表現力等の能力
制度の正確な理解に基づいて問題状況を客観的に説明する力
規範や歴史的経験によって根拠づけられた説得的な議論を構成する力
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
債権各則の領域における諸制度を、民法総則・債権総則との有機的結合関係を含め、判例通説の水準において理解することが求められる。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
テクニカルタームと法的三段論法の駆使能力を身につけることが求められる。
③主体的な態度の観点
論理的思考の習慣を獲得しようと努めることが求められる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
01)債権各論序説:契約自由の原則
債権各則の体系的位置を確認したうえで、近代私法の大原則の一つである契約自由の原則について講述する。定型約款の諸規定にも簡単に言及する。
02)債権契約の分類・類型
典型債権契約の分類(諾成・要物、予約・本契約、有償・無償、双務・片務、一回的・継続的)と類型(譲渡型、貸借型、労務提供型、その他)ごとの特徴について、講述する。
03)双務契約の効力:同時履行抗弁権
双務契約の代表的類型として売買契約を念頭に置き、同時履行抗弁権の行使とその効果、同抗弁権の存在の効果について、講述する。
04)双務契約の効力:対価危険の分配
債権総則における給付危険分配についての理解を確認したうえで、双務契約の代表的類型として売買契約を念頭に置き、反対給付危険の分配について講述する。
05)債権契約終了の諸相:法定解除等
債権契約終了原因につき、法定解除論を軸として講述する。約定解除(手付解除を含む)・合意解除、継続的契約の解約告知にも言及する。
06)契約目的物の契約不適合
有償契約の代表としての売買契約を念頭に置き、契約に基づいて引き渡された目的物の性状が契約の趣旨に適合しない場合の法律関係につき、講述する。商事売買の特則にも言及する。
07)賃貸借契約(当事者関係)
借地借家法の諸規定を視野に入れつつ、賃貸人・賃借人間の債権債務関係(敷金関係を含む。)を講述する。
08)賃貸借契約(対第三者関係)
借地借家法の諸規定を視野に入れつつ、賃貸人が目的物を第三者に譲渡し、あるいは、賃借人が目的物を第三者に転貸する場合に、どのような法律関係(敷金関係を含む。)を生ずるかについて講述する。
09)請負契約
建物新築請負契約を主な素材として、目的物所有権の帰属、仕事完成障害の危険、目的物の契約不適合などの基本的論点について講述する。
10)組合契約
組合契約について、法的性質(合同行為性)、人的変動関係、財産関係(合有的帰属)など、基本的論点を講述する。
11)事務管理
委託なき事務処理としての事務管理について、委任契約との対比を中心に講述する。
12)不当利得
不当利得類型論の通説化をふまえ、侵害利得・給付利得の要件・効果について講述するとともに、費用利得類型に属する転用物訴権にも言及する。
13)一般不法行為
一般不法行為賠償請求権の発生・障害・縮減・消滅の各要件効果について講述する。
14)特殊不法行為
特殊の不法行為として、中間責任・無過失責任の諸類型と共同不法行為につき、基本的理解が得られるよう講述する。
15)請求権競合
債務不履行賠償請求権と不法行為賠償請求権が競合する場合について、要件・効果の異同を見定めて権利行使の適切を期することができるよう、講述する。
なお、以上は、講義の進行順序を示したものであり、何回目の授業で何をとりあげるかを固定的に列記しているわけではない。授業時間外学習 / Expected work outside of class
予習は不要(できれば禁止したい)。予習するヒマがあるならその時間は復習にまわしてもらいたい。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
定期試験100%基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
債権総則に対する特則としての債権各則を判例通説の水準において理解することができているか。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
テクニカルタームと法的三段論法の駆使能力を身につけることができているか。
③主体的な態度の観点
客観的な評価資料を得難いため、評価外とする。
- 教科書
Textbooks 青野博之・谷本圭子・久保宏之・下村正明 新プリメール民法4(第2版) 法律文化社 978-4-589-04064-0
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参考書
References
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact cogitoergosum@nike.eonet.ne.jp
- 備考
Other Comments 条文を精確に読み取ることが何よりも肝要である。その読み取りの手助けのために教科書等の諸文献がある。この主従の関係を決して誤解しないようにされたい。