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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
11003
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
ローマ法1
(古代・中世のローマ法)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
粟辻 悠
曜限
Day/Period
火3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

「ローマ法」という科目名を目にして、どんな印象を持っただろうか。イタリアのローマ市限定とは、また随分と狭い領域の外国法が教えられているものだ、と感じたかもしれない。

確かにこの講義が対象とする「ローマ法」も、元来はごく小さい集団の法でしかなかった―紀元前8世紀と伝えられる、古代ローマ建国の当初においては。
つまり「ローマ法」の「ローマ」は現代イタリアの一都市を指すのではなく、遥か古代に端を発する歴史的な意味でのローマを指す。
しかしそうすると今度は、それほどまでに古い来歴の法をなぜ学ぶのか、という新たな疑問が生じるだろう。
現代日本の法学部にこうして辿り着くまでの「ローマ法」の長い物語を伝えながら、その疑問への答えを模索していくのがこの「ローマ法」という科目の目的である。

「ローマ法1」では、その中でも古い時代(古代・中世)の「ローマ法」について中心的に取り上げる。「ローマ法」の素材は、実はほとんど古代ローマ帝国の段階で完成していた。それにもかかわらず(あるいはそれゆえに?)ローマ帝国の「滅亡」後には西洋世界で一度忘れ去られ、12世紀頃に学問の対象として復活を遂げるという数奇な運命を辿る。

この講義ではその類稀な歴史を物語りながら、現代日本の我々が生きる法世界にまで刻みこまれた古い「ローマ法」の遠大な影響力について考察していく。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(法学部)
1.知識・技能
  (2)概念や理論に関する知識
  (3)歴史や思想に関する知識
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  制度の正確な理解に基づいて問題状況を客観的に説明する力

到達目標 / Course Objectives

1.ローマ法の歴史的な意義について学修する。
2.各時代におけるローマ法(学)の特徴を学修する。
3.法の背景にある歴史的な展開を考察する作法を習得する。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回 ローマ法とは何か:多様な側面
第2回 古代ローマ法(1):古代の法を伝える史料
第3回 古代ローマ法(2):都市ローマの法
第4回 古代ローマ法(3):拡大するローマと法の変化
第5回 古代ローマ法(4):法学者という存在
第6回 古代ローマ法(5):「古典期」ローマ法学
第7回 古代ローマ法(6):ローマ法学の衰退?
第8回 折り返し地点:ローマ法学の隣接分野
第9回 中世ローマ法(1):ローマ帝国なきローマ法
第10回 中世ローマ法(2):ローマ法の「再発見」
第11回 中世ローマ法(3):ローマ法と教会法
第12回 中世ローマ法(4):中世ローマ法学の展開
第13回 中世ローマ法(5):ローマ法と固有法
第14回 中世からその先へ:ローマ法のその後
第15回 まとめ

授業時間外学習 / Expected work outside of class

見慣れない、聞き慣れない言葉の多い授業になるため、とりわけ毎回の復習を推奨する。

個別的な知識を暗記するよりも、各回の講義内容を相互に関連付けて、ローマ法の展開における大きな流れ(いわば講義全体の見取り図)を把握することに力を注いでほしい。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
定期試験(100%)
*全て持ち込み可の試験であり、知識の暗記量を問うものではない。

履修者数が多数となったため、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更しました。(2025.04.28)

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

1.ローマ法の歴史に関する基礎的な知識が修得できているか。
2.各時代におけるローマ法(学)の特徴が把握できているか。
3.法の歴史を考察する作法が身に付いているか。

教科書
Textbooks

ピーター・スタイン著、屋敷二郎監訳/関良徳・藤本幸二訳  『ローマ法とヨーロッパ』  ミネルヴァ書房  

参考書
References

ウルリッヒ・マンテ著、田中実/瀧澤栄治訳  『ローマ法の歴史』  ミネルヴァ書房  
船田享二  『ローマ法・全5巻』  岩波書店  
原田慶吉  『ローマ法[改訂版]』  有斐閣  

フィードバックの方法
Feedback Method

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

メールアドレス
awatsuji@kansai-u.ac.jp

備考
Other Comments

毎回のレジュメは、事前に関大LMSにアップロードするので、各自ダウンロード・印刷するなどして持参すること。

【成績評価方法変更】
履修者数が多数となったため、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更しました。(2025.04.28)