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学部・研究科
Faculty/Graduate School
法/文
時間割コード
Course Code
11006
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
法思想史2
(人権思想の歴史)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
市原 靖久
曜限
Day/Period
木3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

〔講義テーマ〕 「個の自覚」、「信教の自由」、「抵抗権」
 この講義では、近代人権思想の源流となった思想・哲学のなかから、「個の自覚」「信教の自由」「抵抗権」というの三つの観念を取り上げ、それらの観念の思想史的な系譜をたどりながら、人権の歴史性と普遍化可能性という問題について考えます。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(法学部)
1.知識・技能
  (2)概念や理論に関する知識
  (3)歴史や思想に関する知識

到達目標 / Course Objectives

(1)知識・技能の観点
 人権の歴史性と普遍化可能性について、近代国民国家の形成、植民地主義、反植民地主義、反差別闘争などと関連させて説明することができる。また、「個の自覚」「信教の自由」「抵抗権」に関わる西洋思想の歴史的展開を、それぞれの時代の社会の特質と代表的思想家の思想内容をふまえて説明することができる。
(2)思考力・判断力・表現力等の能力の観点
 人権の歴史性と普遍化可能性や、「個の自覚」「信教の自由」「抵抗権」に関わる西洋思想の歴史的展開に関連する論点について、信頼できる情報に基づいて自分の考えをまとめ、それを明晰に表現することができる。
(3)主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度の観点
 主体的に授業に参加するとともに、自主的に参考文献にも目を通し、異なる理解や意見とも対話しつつ、自らの意見を形成することができる。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第01回 オリエンテーション:授業概要、授業計画、成績評価の方法・基準・評価、教科書、参考書などの確認
第02回 人権の歴史性と普遍化可能性
第03回 個の自覚と人間の尊厳(1):古代公会議における個についての議論
第04回 個の自覚と人間の尊厳(2):中世における個人
第05回 個の自覚と人間の尊厳(3):宗教改革と個人
第06回 個の自覚と人間の尊厳(4):近代国民国家と個人
第07回    「強いて入らしめよ」からの離脱(1):カトリック教会の支配
第08回    「強いて入らしめよ」からの離脱(2):宗教改革
第09回    「強いて入らしめよ」からの離脱(3):啓蒙主義と宗教的寛容
第10回  「強いて入らしめよ」からの離脱(4):人権宣言と信教の自由
第11回 契約説と抵抗権(1):古代における契約説・抵抗権
第12回 契約説と抵抗権(2):中世における契約説・抵抗権
第13回 契約説と抵抗権(3):近世における契約説・抵抗権
第14回 契約説と抵抗権(4):近代における契約説・抵抗権
第15回 講義全体のまとめ、到達度の確認(筆記による学力確認)、講評

授業時間外学習 / Expected work outside of class

予習:授業前に関大LMSに設定されているスライド(講義用スライド)を見て、おおよその授業内容を把握しておくこと。
復習:授業後に関大LMSに設定されているスライド(自習用添付資料)を使って、キーワードを中心に学習内容を復習しておくこと。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
 
到達度の確認(筆記による学力確認) 50%
平常成績(小テスト) 50%

 履修者数が多数になった場合には、「到達度の確認(筆記による学力確認)」を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

(1)基礎的な知識・技能の観点
 平常成績(小テスト)(授業で取り上げられた概念や論点などに関する選択式問題に解答する。)、到達度の確認(筆記による学力確認)(「個の自覚」「信教の自由」「抵抗権」に関わる西洋思想の歴史的展開に関連する記述・論述式問題に解答する。)で評価する。
(2)思考力・判断力・表現力等の能力の観点
 到達度の確認(筆記による学力確認)で評価する。
(3)主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度の観点
 平常成績(小テスト)到達度の確認(筆記による学力確認)で評価する。

教科書
Textbooks


市販の教科書は使用しません。市原が作成したスライド[講義用スライドおよび自習用添付資料](関大LMSから閲覧・ダウンロード可能)を使用して授業を進めます。なお、個別の合否についての問い合わせには応じられません。

参考書
References

阿部謹也  『「世間」論序説  :  西洋中世の愛と人格』〔朝日選書〕  (朝日新聞社、1999)  ISBN:  4022597321
飯坂良明=田中 浩=藤原保信  『社会契約説:近代民主主義思想の源流』  (新評論、1977)  
イェリネック、ゲオルク  [著]  ;  イェリネック、ヴァルター  [補訂]  (初宿正典[編訳])  『人権宣言論争』  (みすず書房、1981)  ISBN:  4622005921
大沼保昭  『人権、国家、文明:普遍主義的人権観から文際的人権観へ』  (筑摩書房、1998)  ISBN:  448086704X
カメン、ヘンリー(成瀬治訳)  『寛容思想の系譜』  (平凡社、1970)  
坂口ふみ  『<個>の誕生:キリスト教教理をつくった人々』  (岩波書店、1996)  ISBN:  4000028979
重田園江  『社会契約論:ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ』〔ちくま新書〕  (筑摩書房、2013)  ISBN:  9784480067425
高木八尺=末延三次=宮沢義俊  『人権宣言集』〔岩波文庫〕  (岩波書店、1957)  
種谷春洋  『近代寛容思想と信教自由の成立:ロック寛容論とその影響に関する研究』  (成文堂、1986)  ISBN:  4792301211
バウチャー、デービットほか編(飯島昇蔵ほか訳)  『社会契約論の系譜』  (ナカニシヤ出版、1997)  ISBN:  4888483485
ハント、リン(松浦義弘訳)  『人権を創造する』  (岩波書店、2011)  ISBN:  9784000234986
樋口陽一  『近代国民国家の憲法構造』  (東京大学出版会、1994)  ISBN:  4130311476
樋口陽一  『国法学:人権原論〔補訂版〕』  (有斐閣、2007)  ISBN:  9784641008014
深田三徳  『現代人権論:人権の普遍性と不可譲性』  (弘文堂、1999)  ISBN:  4335300891
ブラン、オリヴィエ(辻村みよ子監訳)  『オランプ・ドゥ・グージュ:フランス革命と女性の権利宣言』  (信山社、2010)  ISBN:  9784797291421
モリス、コリン(吉田暁訳)  『個人の発見:1050-1200年』  (日本基督教団出版局、1983)  

・配列は著者姓の50音順です。
・現在、入手困難な参考書も含まれますが、図書館にはすべて所蔵されています。
・講義のなかで他の参考書についても言及します。

フィードバックの方法
Feedback Method

最終成績の全体的傾向(合格率、成績評価の内訳[秀優良可不可の割合]  など)については、秋学期4年次生成績発表日の前後に、関大LMSの「お知らせ」で通知します。なお、個別の合否についての問い合わせには応じられません

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

関大LMSの「メッセージ」機能で連絡してください。

備考
Other Comments

【関大LMSの利用について】
1.  教材の設定と利用可能期間
 この科目では、原則として、二つの教材(スライド、小テスト)が授業日に先立って関大LMSに設定されます。その他、必要に応じて参考資料や補足説明の教材が設定されることがあります。
 スライドおよび小テストの利用可能期間は、原則として、次のとおりです。
(1)スライド(講義用スライドおよび自習用添付資料)は、各授業日の1週間前午前9時から学期終了日まで利用(閲覧・ダウンロード)可能です。
(2)小テストは、1回目および15回目を除く各授業日の午前9時から1週間のみ利用(解答)可能です。
2.  担任者と履修者の連絡方法
 担任者から履修者へ、履修者から担任者への連絡方法は、原則として、次のとおりです。
(1)担任者から履修者全員への連絡には関大LMSの「お知らせ」または「タイムライン」を用います。
(2)担任者から特定の履修者への連絡には関大LMSの「メッセージ」を用います。
(3)履修者から担任者への連絡(質問や問合わせ)には関大LMSの「メッセージ」を用いてください。