- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法/文/経/商/社/政策/外/シ/環/化
- 時間割コード
Course Code - 20608
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 道徳教育の理論と方法
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 1
- 担任者名
Instructor - 生田 恒雄
- 曜限
Day/Period - 火5
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
道徳教育のテーマは、「答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童生徒が自分自身の問題として捉え、向き合う『考える道徳』『議論する道徳』」である。戦後70年の時を経て、平成27年度に学習指導要領の一部改正がなされ、小学校では平成30年度、中学校では令和元年度に検定教科書を使用した「特別の教科・道徳」(道徳科)が完全実施された。学校現場では、児童生徒により深い道徳性を育成するための指導の工夫をしているところである。
いじめ・不登校問題の深刻化、少年犯罪の低年齢化、「命」を軽んじる事件の横行など社会の病理的事象が顕著になっている。また、世界では理不尽で悲惨な戦争が終わる気配が見えない。また、南海トラフの発生確率が高くなってきている。このような状況で多くの人が不安を感じながら生活していると思われる。このように、「先の見えない現在社会」だからこそ、人が一生を通じて追求すべき人格形成の根幹を成し、民主的で平和な国家・社会の持続的発展を根底で支える道徳教育の充実が、これまで以上に一層重要となっている。
これまでの道徳教育には、次の点で課題があると言われている。一つ目は道徳教育が歴史的経緯に影響され忌避される風潮にあったこと、二つ目は他教科に比べて軽んじられる傾向にあったこと、三つ目は指導の方法に問題があったことである。
そこで本講義では、このような道徳教育の今日的な課題を踏まえ、「これからの道徳教育の在り方」についての意味と意義を理解するとともに、道徳教育推進の担い手である教員としての理論を深め、実践力を身につけるための講義をめざす。さらに、受講者自身の道徳性の向上にもつなげたい。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・日本の道徳教育の歴史的認識の理解。
・道徳の教科化への経緯の理解。
・道徳教育や道徳科の目標や内容の理解。
・「考え議論する」道徳科学習指導案の作成
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・これまでの日本の道徳教育の成果と課題から、これからの道徳教育の在り方や方向性を思考・判断・表現できる。
③主体的な態度の観点
・講義内容を熟考し、積極的に講義をリードする発言や行動ができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 オリエンテーション・道徳教育の今日的課題と今後の講義について
第2回 道徳とは?・道徳性の発達
第3回 儒教や武士道と日本の道徳教育との関連
第4回 日本の近代国家づくりと道徳教育(教育勅語と修身教育)
第5回 修身教育の具体的内容と国家主義、軍国主義の強まり
第6回 戦後の急激な社会構造の変化と道徳教育の混迷
第7回 教科化に至る経緯とこれからの道徳教育の方向性
第8回「特別の教科 道徳(道徳科)」の目標や内容
第9回 道徳科の授業づくり1 ー学習指導案作成の基礎・基本を考えるー
第10回 道徳科の授業づくり2 ー「二通の手紙」の教材の有効性と指導案作成ー
第11回 道徳科の授業づくり3 ー「よりよく生きる喜び」の道徳的価値を考え、「いつわりのバイオリン」または「銀色のシャープペンシル」の指導案作成
第12回 道徳科の授業づくり4 ー「いじめ問題」について考え、「傍観者でいいのか」の指導案作成ー
第13回 道徳科の授業づくり5 ー「生命尊重」「家族の大切さ」に焦点をあてた指導案作成ー
第14回 道徳科の授業づくり6 ー道徳科の評価ー
第15回 講義のまとめ授業時間外学習 / Expected work outside of class
・授業資料、ノートを読み返し、授業内容の理解に努めるように復習すること。
・学習指導案の作成は授業時間外学習になることが多い。講義内容を基にして自ら考え、授業の目標や展開などを工夫すること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
1.課題に基づいたレポート作成 約20%
2.学習指導案作成 約30%
3.受講態度(授業の取り組みや貢献度) 約50%
尚,欠席が講義回数全体の1/3を超える場合は,成績評価の対象としない。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
・道徳教育の今日的課題ついて正しく理解しているかを評価する。
・日本の道徳教育の変遷について正しく理解しているかを評価する。
・学習指導要領の考え方に基づき、「考え議論する」道徳科の学習指導案が作成できているかを評価する。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・講義内容を基にこれからの日本の道徳教育の在り方や方向性を思考・判断・表現できているかを評価する。
③主体的な態度の観点
・積極的に発言し、自主的主体的に講義に参加しているかを評価する。
- 教科書
Textbooks
使用しない。各講義で必要な資料やプリントを配布する。
-
参考書
References 文部科学省 小学校学習指導要領解説「特別の教科 道徳編」 教育出版
文部科学省 中学校学習指導要領解説「特別の教科 道徳編」 教育出版
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact
- 備考
Other Comments ・上記の講義計画は予定であり、進行具合によって変更することがある。
・受講中は講義内容に集中するために、学習指導案作成時以外はスマートフォンなど情報機器を机の上に出さない。
・指定席にしてグループワークを取り入れる予定である。