2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
経/商/社/ビ/シ/環/化
時間割コード
Course Code
00655
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
法実務入門
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
B
担任者名
Instructor
近藤 剛史
曜限
Day/Period
火1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

現代社会においては、さまざまな社会生活、経済活動やインターネット上でのやりとりなどが行われているが、どの場面においても、様々な人の意見や利害が対立し、法律問題が生じてくることがある。本講義では、法律実務家である弁護士が、実際に取り扱った事件や裁判例などを題材とし、どのようなことが法的に問題となり、また、どのような関係者の利益調整が必要となるのか、法的観点及び実務的観点から、できるだけわかりやすく説明を行います。

到達目標 / Course Objectives

現在社会(IT・AI社会)において不可欠なロジカル・シンキング(論理的思考力)とリーガルマインド(温かい心と正義心)を涵養するとともに、自分なりの価値観や考え方に基づく法的思考を行い、その内容につき口頭や論述にて表現できるようになることを目標とする。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回  《法学入門、リーガルマインドとは》
 法律基本書の読み方と法律の考え方、「法律における理屈と人情」(我妻栄)、「回転寿司の話」(価値相対主義)、「赤信号の話」(制度趣旨論) 
第2回  《憲法(近代市民革命と人権)》
 法律実務家の仕事、近代市民革命の意義、憲法の人権規定、「多数決は絶対か?」、チャップリンの「独裁者」、尊属殺事件、大津事件(児島惟謙) 
第3回  《民法(契約法の世界)》
 「身分から契約へ」(歴史学者メーン)、意思主義とは何か?、「契約は守られなければならない。」のはなぜか? ネットにおける契約(ワンクリック請求)  、建築請負代金請求事件
第4回  《民法(家族法、不法行為法)》
 サザエさんの家族問題、斜線を引かれた遺言は有効か?、ある自殺者による自筆証書遺言事件、医療過誤訴訟(出産事故)、交通事故、マクドナルド・コーヒー事件(懲罰的損害賠償) 
第5回  《民法(名誉・プライバシーと信用)》
 名誉の保護と真実性の証明、対抗言論(モア・スピーチ)、ラーメンFC名誉毀損事件、早稲田大学江沢民講演事件、タイレノール事件、パチスロ誹謗中傷事件 
第6回  《民事訴訟と行政訴訟(環境法)》
 「海亀のスープ」の話、民事訴訟の構造(裁判制度)、トラック積載物落下事件、大阪空港騒音訴訟、鞆の浦世界遺産訴訟(「崖の上のポニョ」)、法律論文の書き方  
第7回  《刑法(罪と罰)》
 映画「セブン」、刑法理論、「銀杏の話」、責任能力(ヒンクリー事件)、「八百屋お七」の話、ある窃盗冤罪事件、光市母子殺人事件、犯罪被害者救済制度
第8回  《刑事訴訟法の実務》
 刑事訴訟法の基本原則(違法収集証拠、伝聞法則、自白法則)、映画「それでもボクはやってない」(冤罪)、「十人の罪人を逃すとも、一人の無辜を罰するなかれ」、PC遠隔操作事件と犯罪捜査 
第9回  《労働を巡る問題》
 「プロになるならこれをやれ」、日本型雇用システムの特徴、ジョブ型雇用、日本マクドナルド事件、ワーク・ライフ・バランス、懲戒解雇事例、電通過労死事件
第10回  《技術開発と特許制度》
 「下町ロケット」、特許発明とは?、新規性、進歩性とは? 「鉛筆特許」講壇事例、特許制度の意義、コカ・コーラ社(営業秘密)、ケース・スタディ(ミドリムシ) 
第11回  《創作物と著作権》
 長尾鶏事件(著作物性)、ときめきメモリアル事件(著作人格権)、「時間は夢を裏切らない」事件、スイカ事件、中古ゲーム訴訟(権利保護と流通)、デジタル・コンテンツに関する法務戦略
第12回  《サイバー法、AI法》
 サイバー法の世界、ハッカーの思想、Copyleft、クリエイティブ・コモンズの思想、プロバイダ責任制限法、ソフトウェアの法的保護、Winny(ウィニー)事件、AIに関する法的諸問題
第13回《経済活動と会社法》
 会社制度(株主と会社の関係)、取締役の地位と責任(ダスキン株主代表訴訟)、会社の財務会計と役員の責任、粉飾決算の見抜き方、オリンパス事件
第14回  《企業再生法》
 破産制度の概要、いくつかの倒産処理制度、破産管財人の仕事、自己破産のメリットとデメリット、企業再生の実例(民事再生法)、JAL再建と会社更生法     
第15回  《国際関係法》
 渉外的法律関係(国際的法律問題)、国際取引法の世界(国際私法)、大国の覇権主義と日本の領土問題(国際公法、条約)、「永遠平和のために」(哲学者イマヌエル・カント)

授業時間外学習 / Expected work outside of class

講義レジュメや添付資料の内容についてしっかり読んで復習し、わからないことがあれば、講義の開始前や講義終了後、積極的に質問するなどして十分理解できるようにすること。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験(90%、すべて持込可)と平常成績(印象に残った発言や質問等のプラス評価のみ)(10%)

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

講義内容につき十分理解できているかどうか、またその内容につき、法律家ないし法律を学ぶ者として、答案(論述)にて具体的ないし説得的に表現できているかどうかについて評価を行う。

教科書
Textbooks

参考書
References

フィードバックの方法
Feedback Method

講義中における質疑応答や意見交換により、その考え方の筋道や法的価値判断につき、そのアプローチが正しいかどうか、あるいはその結論が適切かどうかについて、適宜指導致します。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

tsuyoshi★kondolaw.jp(★を@に変更)宛てに連絡してください。

備考
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