- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 経/商/社/ビ/シ/環/化
- 時間割コード
Course Code - 00666
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - オリンピックの共生思想
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- A
- 担任者名
Instructor - 林 郁子
- 曜限
Day/Period - 金4
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
オリンピック・パラリンピック東京大会が多くの問題を抱えながら開催されたことで、様々な観点からオリンピック・パラリンピックが考えられるようになった。そして、オリンピック開催が社会に計り知れない影響を与えることも実感できた。しかし、終わってしまえば、指摘された多くの課題は何もなかったかのように、今までと変わらないオリンピック・パラリンピックの状況が広がっているように感じられる。
これは開催した効果や成功体験が強調され、近代スポーツの頂点といわれるオリンピックが、そもそもどのようなものなのか、あるいはどんなことを目的に開かれているのかなど、「オリンピックとは何か」という本質が語られることがほとんどなかったためと考えられる。その結果、多くの問題を抱えているにもかかわらず、それらの克服すべき問題点が闇の中に置き去りにされ、表面的な華やかさばかりが注目され、何もなかったように歴史が繰り返されている。
1896年に始まった近代オリンピックは、近代化が進む20世紀の社会の経過とともに変遷を続け、社会に内在する問題がオリンピックに反映されたり、またはオリンピックの抱える問題が社会に反映されてきた。このような関係から考えると、2020東京大会を経験した私たちは、オリンピックを考える絶好機にいると言える。
この再考の好機に本講義では、「オリンピックとは何か」という根本的な問いを考えることにする。そのためにまず、近代オリンピックの歴史をたどり、それぞれのオリンピックの特徴を明らかにする。そして、それらが現在のオリンピックにどのような影響を与え、現在の形を作り上げているかも明らかにする。その際、社会学、経済学、哲学、映像文化論などの論文も参考にし、多角的に考え、課題を明らかにしていく。
そして導き出された結論から、そこから浮かび上がる問題点を抽出し、それらをどう克服し、オリンピックが社会の中に共生すること、ともに生きることができるか検討していくことにする。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・近代オリンピックが社会とどのようなかかわりを持って現在の形になったかを理解すること。
・オリンピックの特徴を理解し、問題点を理解できるようにする。
・オリンピックが抱える問題点を明らかにすることができるようにする。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・自分で理解したことを、振り返り(アンケート)でわかりやすく表現できる。
・最終レポート課題で示された問題の意図を理解し、自らの意見を根拠を示して表現できる。
③主体的な態度の観点
・オリンピックが抱える問題点を指摘することができる。
・自らの学習を振り返り、今後のオリンピックのあり方を提言できるようにする。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 ガイダンス
第2回 古代オリンピック
第3回 クーベルタンの思想 オリンピズム
第4回 1912年ストックホルム大会の意義
第5回 映画『民族の祭典』からオリンピックを考えるー映像からオリンピックを考える
第6回 女性と近代オリンピック 多様性との関わり
第7回 二つのオリンピック東京大会
第8回 1964年 オリンピック東京大会 市川崑監督「東京オリンピック」から考える
第9回 オリンピックと商業主義 経済とオリンピック 冬季オリンピック
第10回 オリンピックと商業主義 祝賀資本主義とオリンピック
第11回 国際オリンピック委員会(IOC)を考える
第12回 オリンピックと身体 ドーピング パラリンピックから考える
第13回 アジェンダ2020+15からオリンピック・パラリンピックを考える
第14回 2020+1 東京大会を考える
第15回 今後のオリンピックの共生を考える授業時間外学習 / Expected work outside of class
・授業資料、ノートを読み返し、授業内容が理解できるように復習するとともに、理解が不十分な箇所に関しては各自調べるなどして復習すること。
・講義内で紹介した著書やシラバスで掲示してある著書を参考に、学習を深めること。
・オリンピックやスポーツの関連する報道に触れ、考えること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
各回振り返り(アンケートやレポート)(70%) 最終レポート(30%)
履修者数が多数になった場合には、振り返りの方法等を変更することがある。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡する。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
① 知識・技能の観点
・各回の振り返り(アンケート)。
・最終レポート課題。
② 思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・最終レポート課題の内容。
・各回の振り返り(アンケート)内容。
③ 主体的な態度の観点
・最終レポート課題の提出と内容。
・各回の振り返り(アンケート)提出と内容。
- 教科書
Textbooks
-
参考書
References 伴義孝 スポーツ思想の誕生 大島鎌吉の周辺 創文企画
多木浩二著 今福龍太編 映像の歴史哲学 みすず書房
稲垣正浩 今福龍太 西谷 修 近代スポーツのミッションは終わったか 身体・メディア・世界 平凡社
小川勝 東京オリンピック 「問題」の核心は何か 集英社新書
清川正二 オリンピックとアマチュアリズム ベースボール・マガジン社
ジュールズ・ボイコフ著 中島由華訳 オリンピック秘史 120年の覇権と利権 早川書房
ディビット・ゴールドブラット著 志村昌子 二木夢子訳 オリンピック全史 原書房
松浪稔 井上邦子編集 稲垣正浩監修 現代スポーツ批評-スポーツの「当たり前」を問い直すー 叢文社
坂上康博 中房敏朗 石井昌幸 高嶋航 編著 スポーツの世界史 一色出版
石堂典秀 大友昌子 木村華織 來田享子 編著 知の饗宴としてのオリンピック エイデル研究所
オリンピック・アカデミー編著 2020+1東京大会を考える メディア・パル
岡崎満義編著 東京2020 オリンピックの挽歌 創文企画
講義内で参考にした著書について随時紹介していく。
- フィードバックの方法
Feedback Method 振り返り(アンケート)内容を次回の講義で紹介し、講評する。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 関大LMSのメッセージ機能を使って問い合わせすること。
- 備考
Other Comments 取り扱うオリンピック大会、テーマは、変更する場合もある。