- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 化
- 時間割コード
Course Code - 60130
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 化学を学ぶ(演習含)(基礎化学1)
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/4
- A 2
- 担任者名
Instructor - 荒地 良典
- 曜限
Day/Period - 火1/金1
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
化学とは、物質の性質およびその反応過程を学ぶ科学である。本科目では、特に後者、すなわち、性質の異なる物質が化学反応でどのように相互作用して、新しい性質をもつ物質が生みだされるかを理解するための基礎事項に焦点を当てる。化学反応を理解するための第一歩は、その反応における反応物と生成物との間の量的関係(化学量論)を明らかにし、化学反応式を決定することから始まるので、化学量論に関する理解をまず確実なものとしておく必要がある。さらに、すべての化学反応は平衡状態になるとみかけ上停止し、反応に関与した物質の定量的な関係は化学平衡論で議論される。このような化学量論と化学平衡の概念を、酸塩基および酸化還元反応を通して習得できるようにする。本科目では、授業とその内容の理解を深めるために自主的な演習を行う。
到達目標 / Course Objectives
① 知識・技能の観点
高等学校で学んだ化学から大学の専門科目への橋渡しであり、化学における基礎的事項の正確な定量的取扱いを身につける。
② 思考力・判断力・表現力等の能力の観点
化学量論と化学平衡の概念を基礎から理解し,これらを暗記する化学ではなく,思考する化学として認識できる。
③ 主体的な態度の観点
化学量論ならびに化学平衡に関連する式を自ら導出することができるまで,自らの学習を振り返ることができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
1.序論(第1週、2週)
本授業の授業計画を述べる。また、化学における重要な基礎的な概念、国際単位(SI基本単位とSI組立単位)および測定における数値の取り扱い方について解説する。
【キーワード】単体、化合物、混合物、SI基本単位とSI組立単位、有効数字
2.化学反応と化学量論(第3週、4週)
化学反応における反応物と生成物との間の量的関係(化学量論)を明らかにして、化学反応式を決定する。
【キーワード】物質量、溶液の濃度、化学式(実験式、分子式、構造式)、化学量論
3.化学平衡(第4週〜6週)
化学反応を理解するには、含まれる化学種が「どれだけの量、どのような経路を経て、どの程度の速度で生成あるいは減少するのか」を知る必要がある。このためには化学平衡論と反応速度論を学習しなければいけないが、本授業では化学平衡のみについて解説する。
【キーワード】ギブズ自由エネルギー、化学ポテンシャル、質量作用の法則、平衡定数(圧平衡定数、モル分率平衡定数、濃度平衡定数)、ルシャトリエの原理
4.中間テスト(第7週)
5.酸と塩基(第7週〜12週)
酸と塩基の概念を述べ、弱酸と弱塩基の化学平衡(電離平衡)の定量的な取り扱いを詳細に解説する。さらに、酸塩基反応の化学量論として中和滴定についても解説する。
【キーワード】酸塩基の概念(ブレンステッドの定義、ルイスの定義)、酸塩基の強さ、水のイオン積、pHの定義、電離度、電離定数、弱酸・弱塩基の電離平衡、塩の加水分解、緩衝溶液、中和滴定
6.沈殿反応(第12週、13週)
難溶性塩の水への溶解度を取り扱い、その平衡定数である溶解度積および溶解度に影響を及ぼす種々の効果について解説する。
【キーワード】溶解度積、共通イオン効果、分別沈殿
7.酸化と還元(第13週、14週)
電子の移動を伴う化学反応が酸化還元反応である。酸化還元の概念、その定量的取り扱いおよび酸化還元反応の化学量論について解説する。
【キーワード】酸化数、酸化剤、還元剤、イオン化傾向、酸化還元滴定
8.授業のまとめ、到達度の確認(筆記による学力確認)、講評(第15週)授業時間外学習 / Expected work outside of class
① 授業の1回目に授業計画を示すので、予習をして臨むことが望ましい。
② 演習は、授業の基礎知識に基づき具体的な計算ができるかどうかを確かめるために行うので、授業の内容を復習して臨むことが望ましい。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
演習(50%)、中間テスト(15%)、到達度の確認(筆記による学力確認)(35%)
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
各章の基礎知識や基本問題について、きちんと理解できているかどうかを評価する。
- 教科書
Textbooks 中林安雄・荒地良典・幸塚広光・田村 裕・春名 匠・矢島辰雄 著 『理工系のための現代基礎化学 物質の構成と反応』 (三共出版)
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参考書
References P. W. Atkins 著、千原秀昭・中村亘男 訳 『アトキンス物理化学(上)第10版』 (東京化学同人)
姫野貞之 著 『化学平衡の基礎』 (学術図書出版社)
J. E. Brady・G. E. Humiston 著、若山信行・一国雅巳・大島泰郎 訳 『ブラディ一般化学(上)』 (東京化学同人)
J. E. Brady・G. E. Humiston 著、若山信行・一国雅巳・大島泰郎 訳 『ブラディ一般化学(下)』 (東京化学同人)
化学教科書研究会 編 『基礎化学』 (化学同人)
梅本喜三郎 著 『標準基礎化学』 (裳華房)
立屋敷 哲 著 『溶液の化学と濃度計算』 (丸善)
- フィードバックの方法
Feedback Method 採点した演習問題の答案を返却後, その解説を実施する。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact オフィスアワー
毎回の授業終了時に受付けるので、各自申し出てください。
- 備考
Other Comments 1.“暗記する化学”でなく“考える化学”を身につけるよう努力する。
2.演習の成績が一定レベルに到達しない学生に対しては、再演習を実施する。
3.マテリアル科学コース(JABEE認定プログラム)での本科目の学習・教育目標はB。同コースで、本科目の基礎となる科目は、「数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎Ⅰ)」、「数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎Ⅱ)」、「物理を学ぶ(演習含)(基礎物理学)」。同コースで、本科目を基礎とする科目は、「化学実験」、「物理化学Ⅰ(演習含)」、「物理化学Ⅱ(演習含)」、「材料熱力学(演習含)」、「速度論と物質移動」。