- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 経/商/社/ビ/シ/環/化
- 時間割コード
Course Code - 00836
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 宇宙のすがたと歴史
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- B
- 担任者名
Instructor - 青木 成一郎
- 曜限
Day/Period - 木5
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
宇宙とのつながりを日常生活において実感する機会は少ないかもしれませんが、天気について考えて下さい。もし、天気予報から⾬が降りそうだと思えば傘を持って出かけるでしょう。では、雨などの気象現象の原因は何でしょうか︖それは、太陽から地球へやってきた光のエネルギーです。太陽光のエネルギーが地⾯や海⾯で熱エネルギーへ変換され、⼤気中で対流が起きて気象現象が発生します。また、太陽では太陽フレアという表面での爆発が頻繁に起きています。太陽フレアは、電波の通信障害やGPSの位置精度の悪化へつながる磁気嵐やオーロラ、さらには、広範囲の停電の原因となることがあります。また、地球の大気圏外では太放射線被曝による宇宙飛行士や機器へ被害が生じる可能性があります。このように常にわたしたちは「天災」にさらされています。現在、これらの知識が実際に役立つ時代が迫っています。例えば、20年から30年後には月に人類が滞在する時代となり、みなさんの中でも月で仕事をする人が出てくるでしょう。火星もみなさんが生きている間に行くことができるかもしれません。また、人類が太陽系外へ生活圏を広げる時代も今後数百年の間に訪れるでしょう。また、私たちの存在は138億年前に始まる宇宙とつながっています。例えば、「我々は星の⼦」が指すように、我々の体を成す炭素や酸素などの多くの元素が恒星内部の核融合で⽣み出されています。また、⾦やプラチナなどの貴⾦属は、中性⼦星の合体に伴って⽣成されたことが確実視されています。このように私たちの⽇常と宇宙は案外強くつながっています。これらを踏まえ、授業では事前学習資料で知識を得た上でまとめた自分の考えを持ち寄り、授業中のグループワークを通して月や火星さらには系外惑星の定住において考えるべきことを議論します。なお、事前学習資料では、宇宙のすがたと歴史を概観するため、「宇宙のすがた」については、太陽、太陽系、天の川銀河、銀河団や超銀河団など、宇宙の階層構造と各構造の天体に関する概観として、種々の天体現象と我々の関係や影響に触れ、宇宙のすがたや、天体の営みと我々の関係を知ります。また、「宇宙の歴史」については、宇宙初期と現在までの進化を概観し、宇宙の歴史や⾃⾝の存在と宇宙のつながりを知ります。さらに、日本の歴史上の「天災」と「防災」についても学びます。古文献に記された陰陽師などによる天変の記録と現代天文学における解釈などについて学びます。
授業中には、グループワークおよびグループでの発表を行うため、前提となる知識習得やグループワーク参加のための準備は事前学習(予習)として行う、反転授業の形式をとります。事前学習では、上述の知識を学ぶpdf資料とビデオ(90分程度)で学習した内容を踏まえてコンセプトマップを作成(関大LMSへ提出)し、さらにグループワーク参加の準備のためにテーマ(例:月に定住するにはわたしたちはこのようにする)について自分の考えをまとめてもらいます(専用システムへ登録)。授業中は事前学習でまとめた内容を持ち寄って議論してグループワークを通してグループとしての意見をまとめて発表し議論します。また授業中の発表・議論や講師によるコメントを踏まえ、復習として事後学習にも同じテーマで取り組みます。最後に、事前学習、グループワーク、事後学習でまとめた内容を裏付けとして、自分の学びを振り返る「ラーニングポートフォリオ」を作成して提出してもらいます。宿題は非常に多いですが、すべての宿題に取り組まないと、良い評価は得られませんので、そのつもりで履修してください。なお、関大LMSへ提出する課題を期限までに3回以上未提出の場合は、原則として単位認定しません。到達目標 / Course Objectives
① 知識・技能の観点
宇宙の階層構造と各階層の天体の性質、天体現象と我々の関係や影響、及び宇宙の始まりと現在までの進化、及び日本の歴史上の「天災」と「防災」について知識として修得します(主に事前学習用資料やビデオによる学習とコンセプトマップ作成)。
② 思考⼒・判断⼒・表現⼒等の能⼒の観点
習得した知識を元に、自分で見つけた情報を加えて、自ら情報を再整理し、再構築できるようになることが求められます(主に事前学習及び事後学習)。
③ 主体的な態度の観点
習得した知識と自分でみつけた情報を元に、自ら主体的に思考して再解釈し、他者へ説明出来るようになることが期待されます(主にラーニングポートフォリオ、授業での発表と議論、およびグループワークでの議論への積極的参加)。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
・事前学習用授業資料やビデオのリンクは関大LMSへアップロードします。
・事前に配信する事前学習用授業資料とビデオで学習して授業日の前日までに予習として取り組む課題「事前学習」(コンセプトマップ作成と指定のテーマについて自らの考えをまとめる作業)があります。また、復習「事後学習」(授業での発表や議論を踏まえて事前学習と同じテーマで自らの考えをまとめる作業)にも取り組む必要があるので気をつけて下さい。事前学習と事後学習は、最終回授業後に作成するラーニングポートフォリオ執筆に必要な裏付け資料となりますので、それぞれ期限までに取りくんでおく必要があります。
・受講生への連絡は、関大LMSのメッセージ機能を用います。また、受講生からの質問受付にはメッセージ機能は使わず、メールを用います。詳しくは、「担任者への問合せ方法」の項目を確認して下さい。
授業は、毎授業回、以下からなります。
・(予習:事前学習)関⼤LMSのWebClassで配布する配布資料とビデオにより知識を得た上で、コンセプトマップを作成し、さらに教員が定めたトピック(例:月に定住するにはわたしたちはこのようにする)で自らの考えをまとめる事前学習に取り組みます。
・(授業中)事前学習でまとめた考えをグループメンバーで持ち寄って議論し、グループワークを通してグループとしての意見にまとめます。また、まとめた意見を発表担当者が発表し、皆で考え議論します。
・(復習:事後学習)各回の授業後に、授業での発表や議論を踏まえて、事前学習と同じトピックで自らの考えをまとめる事後学習に取り組んでもらいます。
上記の各回の取り組みに加え、(総括)授業全体のまとめとしての取り組みもあります。また、全授業が終わった後に、事前学習及び事後学習で取り組んだ内容を裏付けとし、自らの学習を振り返って、ラーニングポートフォリオを作成してもらいます。
初回の授業では、その後の授業の進め方や、事前学習とグループワークおよび事後学習に使用する専用システムの使い方を説明しますので、必ず参加して下さい。
以下は、知識を得ることを目的として各回の事前学習用授業資料とビデオで説明する内容です。
第1週:授業概要、授業計画、成績評価の方法の確認、天体の諸階層(宇宙の構造)
前半では、授業の概要と今後の授業の進め⽅を説明します。後半では、宇宙のすがたの最初の話題として、宇宙の構造を概説します。
第2~4週:天体の諸階層(太陽)
最小スケールの階層であり、我々にとって重要な天体である、太陽について説明します。ここでは、オーロラ等の太陽活動が原因となる現象も説明します。
第5~7週:天体の諸階層(太陽系)
太陽系の構造を概観した後、惑星、⼩惑星、衛星や彗星について説明します。ここでは、流星群と彗星の関係、惑星の定義などの説明も含みます。
第8~10週:天体の諸階層(恒星)
色、明るさ、寿命といった恒星の性質や、質量ごとに異なる恒星の生涯について説明します。ここでは、白色矮星、超新星爆発や中性⼦星、ブラックホールなどに触れます。これにより、私たちの体を構成する元素の一部が恒星の営みに関わることが分かります。
第11週:天体の諸階層(銀河、銀河団、超銀河団)
銀河の分類や性質、銀河団の分類、超銀河団について説明します。
第12週:ニュートンの宇宙とアインシュタインの宇宙、ハッブルの法則、進化する宇宙
ニュートンの⼒学理論に基づく宇宙の認識(ニュートンの宇宙)と、現在の宇宙の認識の基礎である⼀般相対性理論に基づく宇宙の認識(アインシュタインの宇宙)について説明します。
また、ハッブルが発見したハッブルの法則と宇宙が⼀様膨張していることについて説明します。さらに、進化する宇宙の説としてビッグバン説を説明します。
第13週:宇宙マイクロ波背景放射の発見、ビッグバンモデルの諸問題とインフレーションモデル、現在の宇宙の年齢・大きさ・質量
ビッグバン説を裏付ける宇宙マイクロ波背景放射について説明した後、ビッグバンモデルの諸問題とインフレーションモデルについて説明します。また、宇宙の進化を決める宇宙論的パラメータと、宇宙にバリオンやダークマターとダークエネルギーがどれだけ存在するか、宇宙が将来どう進化するかと宇宙の年齢について説明します。
第14週:初期宇宙をさかのぼる
宇宙の晴れ上がり前後の宇宙の進化と、ビッグバンから3分以内に起きた、原子番号が小さい元素の合成について概説します。ここで、私たちが良く利用するリチウムがビッグバンから3分以内に作られたものであることが分かります。
第15週:日本の歴史上の「天災」と「防災」
奈良時代から江戸時代にかけて安倍晴明やその子孫らなどの陰陽師が観測した天変とそれに対する防災について概説します。陰陽師が仕事として例えばどのようなことをしていたかを知ることが出来ます。また、天変の記録が現代天文学とどのように関係するかについても説明します。授業時間外学習 / Expected work outside of class
・(予習:事前学習)授業日の前日の夜の12時まで。
事前学習用授業資料と予習用ビデオを視聴して知識を得てコンセプトマップを作成し、期限までに提出します。さらに、指定のテーマに関する自分の考えをまとめます。授業は、これらに取り組んできた前提で行います。
・(復習:事後学習)原則として、次回の授業日の前日の夜の12時まで。
授業での発表や議論を踏まえて、自らの考えを再度まとめる事後学習に、期限までに取り組みます。
・(総括)指定の締切(関大LMSのメッセージや授業中に提示)まで。
授業全体のまとめのため、総括としてまとめます。
・(ラーニングポートフォリオ)指定の締切(関大LMSのメッセージや授業中に提示)まで。
事前学習及び事後学習でまとめた内容を裏付けとし、自らの学習を振り返って、ラーニングポートフォリオを作成します。
(補足)
・事前学習及び事後学習へ取り組むにあたり、自ら調べる必要があります。そのため、天体現象の最新情報やニュースなどには注意し、自ら情報を得るように努めて下さい。例えば、次のウェブサイトなどが参考となります。なお、考えをまとめる際には、事前学習用授業資料と予習用ビデオを踏まえて、これらに限らない広い視点で、根拠をもってまとめることを期待します。なお、調べる際には、信憑性の確認が難しい情報(ブログサイトやYouToubeなど)は参考程度としてください。
https://www.nao.ac.jp/
https://www.jaxa.jp/
http://www.astroarts.co.jp/
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
1.事前学習と事後学習とグループワークへの取り組みの内容:60%
習得した知識に基づき、主体的かつ深く広い視野で根拠をもって批判的に考えたかどうかを評価します。内容の質的な観点も踏まえ評価します。事前学習用の授業資料と学習用ビデオを視聴した履歴がない場合、減点します。
2.ラーニングポートフォリオの内容:20%
事前学習と事後学習とグループワークでまとめた内容を裏付けとして明記し、自分の学びについて広い視野で批判的に振り返ってまとめているかどうかを評価します。
3.授業中の発表や議論への積極的参加:20%
事前学習やグループワークでまとめた内容についてどれだけ分かりやすく説明したか、受けた質問に対する適切な回答、また議論へ積極的に参加したかどうか、それらが主体的かつ深く広い視野で根拠をもった批判的な思考に基づくかどうかを評価します。
これらの評価や学びのガイドとなるICEルーブリックについては初回の授業で説明します。
※事前学習及び事後学習ならびにラーニングポートフォリオの締切は厳守して下さい(特に事前学習は締切後の提出は不可能です)。関大LMへ提出する課題(例:事前学習として取り組むコンセプトマップ)は学習の前提となるため、原則として3回以上未提出の場合は、単位認定しません。また、ラーニングポートフォリオは、どうしてもやむを得ない事情がある場合は、締切日の3日前以前にメールで相談した場合に限り、後日提出を認めるかどうかを検討します。また、メールアドレスは p055040@kansai-u.ac.jp です。関大LMSのメッセージ機能は使用しないので、メッセージを送っても返信しないことに注意して下さい。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
① 知識・技能の観点
宇宙の階層構造と各階層の天体の性質、天体現象と我々の関係や影響、及び宇宙の始まりと現在までの進化、及び日本の歴史上の「天災」と「防災」について知識として修得します(主にコンセプトマップから評価)。
② 思考⼒・判断⼒・表現⼒等の能⼒の観点
習得した知識を元に、批判的思考を踏まえ、自分で見つけた情報を加えて、自ら情報を再整理し、再構築できるようになることが求められます(主に事前学習及び事後学習から評価)。
③ 主体的な態度の観点
習得した知識と自分でみつけた情報を元に、批判的思考を踏まえ、自ら主体的に思考して再解釈し、他者へ説明出来るようになることが期待されます。(主にラーニングポートフォリオ、授業での発表と議論、およびグループワークでの議論への積極的参加から評価)。
これらは授業初回で説明するICEルーブリックも踏まえて評価します。
- 教科書
Textbooks
指定しません。
-
参考書
References ⽊庭元晴 編著、⻘⽊成⼀郎ほか著 『宇宙 地球 地震と⽕⼭』(増補版) 古今書院 978-4772220026
⽊庭元晴 編著、⻘⽊成⼀郎ほか著 『東⽇本⼤震災と災害周辺科学(災害を科学する2)』 古今書院 978-4772241762
尾崎洋⼆ 著 『宇宙科学⼊⾨』 東京⼤学出版会 978-4130627191
岡村定矩 編集 『天⽂学への招待』 朝倉書店 978-4254150162
オリヴィア・コスキー (著), ジェイナ・グルセヴィッチ (著), 露久保 由美子 (訳) 『太陽系観光旅行読本』 原書房 978-4562059874
スティーブン・E・クーニン (著)、杉山 大志 (解説)、三木 俊哉 (訳) 『気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか?』 日経BP 978-4296000623
1つめの参考書の「1. 天文学から見た天災と防災」の部分は、第12回目及び第13回目の授業資料やビデオで扱います
- フィードバックの方法
Feedback Method 授業における発表やグループワークにおいて、事前学習に含まれる内容について全般的にレビューします。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact メールでは説明出来る内容に限界がありますので、できるだけ授業の後に対面で質問して下さい。メールで連絡や相談する必要がある場合は、p055040@kansai-u.ac.jpへメールを送って下さい。なお、メールを送る場合は学生番号と氏名及び受講科目を明記の上、要点がメールの内容からすぐに把握できるように、できるだけ詳しく要件を記載して下さい。特に課題に関する質問は、即座に対応出来ないことがあるので、出来るだけ早く問い合わせて下さい。なお、システム上の制約から迅速な対応が出来ないため、関大LMSのメッセージ機能は使用しません。そのため、メッセージを送っても返信しないことを注意して下さい。
- 備考
Other Comments メールでは説明出来る内容に限界がありますので、できるだけ授業中またはその後に対面で質問して下さい。メールで連絡や相談する必要がある場合は、p055040@kansai-u.ac.jpへメールを送って下さい。なお、メールを送る場合は学生番号と氏名及び受講科目を明記の上、要点がメールの内容からすぐに把握できるように、できるだけ詳しく要件を記載して下さい。特に課題に関する質問は、即座に対応出来ないことがあるので、出来るだけ早く問い合わせて下さい。なお、システム上の制約から迅速な対応が出来ないため、関大LMSのメッセージ機能は使用しません。そのため、メッセージを送っても返信しないことを注意して下さい。