- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法/文/政策/外/人間/シ/環/化
- 時間割コード
Course Code - 00814
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 現代科学の展開
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- B 2
- 担任者名
Instructor - 斎藤 光
- 曜限
Day/Period - 金5
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
「「性と生命の科学」の歴史と現代」について考え、講義する予定です。
現在「性」や「生命」は、科学や科学技術の対象として扱われ、私たちも、自らの「性」や「生命」を捉え、考え、感じるときにその「知識」を参照しています。この講義では、そうした状況の在り方や、由来について考えたいと思っています。
したがって、現代社会で強力に働く「科学」や「科学技術」とは何か、またその働きはどのような形かについて検討し、その後、「性」や「生命」にかかわる学問や思想の変遷、「性」や「生命」をめぐる現在の問題構造などを見ていきたいと思います。
この講義は、今年度(2025年度)新しくはじめるものです。そのため、講義の途中で、内容や形式を修正したり、追加や改訂をしながら進む予定ですので、あらかじめご了解ください。
また、「性」もテーマとなりますので、センシティブな内容や図像が登場する場合もありますから、その点も十分に考慮の上選択ください。
「科学」や「科学技術」という経路を通して「性」や「生命」を理解するとはどういうことか、また、「性」や「生命」の歴史と現状を通して「科学」と「社会」それぞれの内実と両者の関係を理解するとはどういうことかに迫れればと考えています。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・「科学」や「科学技術」とは何かを把握し説明できる。
・「性」や「生命」に関わる思想と科学や科学技術のあり方を把握し説明できる。
・「性」や「生命」に関する思想や科学や科学技術が、現在の私たちの「性」や「生命」に関わる図式や感性を強く規定していることを知る。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・講義や予習復習で得た知識をもとに、「性」や「生命」に関連する問題について考え判断し表現できる方向に進む。
③主体的な態度の観点
・「性」や「生命」に対して、基本的人権の観点を押さえつつ、主体的にかかわる構えを知ることができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
この講義は、今年度(2025年度)新しくはじめるものです。そのため、講義の途中で、内容や形式を修正したり、追加や改訂をしながら進む予定ですので、あらかじめご了解ください。
以下のように進める予定です。
①イントロとガイダンス。
「性」や「生命」を主題とすることへの注意点と、関連して、「性」「生」「死」をめぐる社会と個人の「体制」について。
「科学」と「技術」と「科学技術」について①。
②「科学」と「技術」と「科学技術」について②。
③「性」をめぐる4つの視点①。
④「性」をめぐる4つの視点②。
⑤「性」をめぐる記号の問題と日本における近代以前の図式。
⑥「性」と「生命」をめぐる古代西欧(ギリシア・ローマ)の図式①。
⑦「性」と「生命」をめぐる古代西欧(ギリシア・ローマ)の図式②。
⑧「性」に関わるキリスト教的倫理。
⑨「性」「生命」と科学、あるいは生物学。
(科学革命について(補足))
⑩「性」「生命」と19世紀生物学①。
⑪「性」「生命」と19世紀生物学②。
⑫「性」と19世紀医学/精神病理学①。
⑬「性」と19世紀医学/精神病理学②。
⑭「性」と20世紀科学・社会科学・人文学①。
⑮「性」と20世紀科学・社会科学・人文学②。復習および振返りとまとめ。授業時間外学習 / Expected work outside of class
1A:予習に関しては、新書程度の、この講義科目の主題関連書籍を読み、性や生命一般に関する知識と教養を広げ深める。
1B:予習復習に関しては、以下の参考文献リストにあげている、塚原東吾ほか編著『よくわかる現代科学技術史・STS』(ミネルヴァ書房、2022)を読む。
2:復習に関しては、第一にノートや配布プリントなどの整理、および、内容の確認。疑問点は、次回以降の講義で、直接質問するか、「質問・感想・批判」ペーパーに記載し提出。第二に「性」や生命に関連した小説やマンガや映画などエンターテイメントの作品群を提示するので、それらを学修し楽しむ。
予習復習のモデルをいかに示しておきます。
予習復習のモデル「その1」。(出版社や所蔵を調べるところから予習復習である)
1~5:LGBTの問題に歴史的に接近してもらうため、伏見憲明の以下の本を読む。
『プライベート・ゲイ・ライフ』(1991):この領域の古典。
『<性>のミステリー : 越境する心とからだ』(1997):この領域の入門書の古典。
『新宿二丁目』(2019):伏見さんの最新の研究。
また以下の本を読んでもよい。出来たら伏見さんの本と併読してほしい。
『愛と差別と友情と LGBTQ+』(2021):21世紀に入ってからの状況についての重要な報告。著者は、北丸雄二。
さらに、以下のものも推薦しておきたい
ショーン・フェイ(高井ゆと里訳)『トランスジェンダー問題―議論は正義のために』(2022年)。
5~10:授業でも提示するが以下の本を読み進める。
プラトン『饗宴』
『聖フランシスコ・ザビエル全書簡』
三橋順子『女装と日本人』(2008)
三橋順子『新宿「性なる街」の歴史地理』(2018)
11~15:授業でも提示するが以下の本を読み進める。
フロイト『精神分析入門』
フーコー『性の歴史』(特に第1巻)
予習復習のモデル「その2」。
塚原東吾ほか編著『よくわかる現代科学技術史・STS』(ミネルヴァ書房、2022)を中心とした学修予習復習。
予習1:「はじめに」を読みまとめる。
復習1:「科学史における文明論」(48‐49)を読みまとめる。
予習2:「2つの文化」(50‐51)を読みまとめる。
復習2:「戦後の高等教育」(52‐53)を読みまとめる。
予習3:「生命科学の現代史」(74‐75)を読みまとめる。
復習3:「遺伝子工学」(120‐121)を読みまとめる。
予習4:「ゲノム編集」(124‐125)を読みまとめる。
復習4:「遺伝子組み換え作物」(128‐129)を読みまとめる。
予習5:「生命倫理」(136‐137)を読みまとめる。
復習5:「生政治・生権力・生資本」(140‐141)を読みまとめる。
予習6:「情報社会」(108‐109)を読みまとめる。
復習6:「科学とメディア」(150‐151)を読みまとめる。
予習7:「科学革命論」(54‐55)を読みまとめる。
復習7:「リヴァイアサンと空気ポンプ」(66‐67)を読みまとめる。
予習8:「科学革命」に関係した人物(学者あるいは科学者)の経歴をネットで調べる。(3人以上)
復習8:「科学革命」に関係した人物(学者あるいは科学者)の経歴を図書館で調べる。(3人以上)(同一人物が望ましい)
予習9:ウイリアム・バーヴェイに関する日本語の書籍(翻訳も含む)リストを、cinii booksを使って作成する。
復習9:ウイリアム・バーヴェイに関する日本語の論文(翻訳も含む)リストを、cinii researchを使って作成する。
予習10:「科学技術と公共空間」(196‐197)を読みまとめる。
復習10:「科学技術への市民参加」(194‐195)を読みまとめる。
予習11:「科学とカルチュラル・スタディーズ」(102‐103)を読みまとめる。
復習11:「スポーツと科学技術:制御されるアスリートの身体」(104‐105)を読みまとめる。
予習12:「人種と科学」(82‐83)を読みまとめる。
復習12:「新優生学」(130‐131)を読みまとめる。
予習13:「マートンの科学社会学」(156‐157)を読みまとめる。
復習13:「パラダイム論」(160‐161)を読みまとめる。
予習14:これまでの授業内容と予習復習について振り返り、疑問点などを抽出する。
復習14:これまでの授業内容と予習復習について振り返る。
予習15:谷崎潤一郎の小説を読む。
復習15:谷崎潤一郎の小説を読む。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
授業ごとのコメント・批評(15%)、定期試験(85%)。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
・講義で示したことに関する設問。(85%)
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・講義内容に関するコメントや批判など。(15%)
③主体的な態度の観点
・なし。
- 教科書
Textbooks
-
参考書
References 塚原東吾ほか編著 『よくわかる現代科学技術史・STS』 ミネルヴァ書房 9784623092154
諸橋憲一郎 『オスとは何で、メスとは何か?――「性スペクトラム」という最前線』 NHK出版 9784140886830
河原梓水 『SMの思想史: 戦後日本における支配と暴力をめぐる夢と欲望』 青弓社 9784787210586
以下も参考にしてください。
井上章一『愛の空間』(角川書店、1999)
廣野他編『生命科学の近現代史』(勁草書房、2002)
関西性欲学会編『性の用語集』(講談社、2004)
斎藤光『幻想の性 衰弱する身体』(洋泉社、2005)
井上・斎藤・澁谷・三橋編『性的なことば』(講談社、2010)
井上章一編『性欲の研究 ―― エロティックアジア編』(平凡社、2013)
井上章一・三橋順子編『性欲の研究 ―― 東京エロ地理編』(平凡社、2015)
ネッサ・キャリー(中山潤一訳)『エピジェネティクス革命』(丸善出版、2015)
田中実編『遺伝子から解き明かす 性の不思議な世界』(一色出版、2019)
三橋順子『歴史の中の多様な「性」』(岩波書店、2022)
澁谷知美、清田隆之編『どうして男はそうなんだろうか会議 ――いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと』(筑摩書房、2022)
周司あきら、高井ゆと里『トランスジェンダー入門』(集英社、2023)
三橋順子『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』(辰巳出版、2023)
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Feedback Method
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Instructor Contact オフィスアワー
・授業の前後に対応する。
その他
・メールアドレスは講義(第1回)で提示する。
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