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学部・研究科
Faculty/Graduate School
法/文/政策/外/人間/シ/環/化
時間割コード
Course Code
00757
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
近代市民社会思想を知ろう
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
B
担任者名
Instructor
村井 明彦
曜限
Day/Period
金3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

2025年秋の高市政権成立後、急激に保守革命が起きた。その原因は何か。
 経済学では生産要素を資本と労働とする。国際化とは2000年代までは国境を超える資本移転の自由化だったが、国連が「置換移民  (国民の入替え)」を進め2010年代には労働移転の自由化が生じた。また中国の世界戦略が少数派価値を標準化するフランクフルト学派的「ウォーク  (目覚め)」と結合し文化移転の自由化も生じた。
 個性を保つ各国が交流を深める国際化は、各国の個性を消し地球  globe  を一国同然にするグローバル化とよく混同される。資本は外在物だが、労働は労働者に内在する作用で、労働者は労働以外も行いそれは文化に従うから、労働移転は異文化のダンピングとなり国を潰す。
 この程度のことも言語化が遅れる。日本は戦後過度に左傾し文化と労働のグローバル化に巻き込まれたが、外国に買収された左翼系オールド・メディアは偏見に根ざす裏取り取材からデマを垂れ流し、排内主義(日本からの日本人排除)を先導してきた。これでは国家反逆組織だ。武器は常識と学理に反する極論を言葉巧みに刷り込む認知戦だが、認知戦組織が情報市場を供給独占し事態の構造が覆い隠されてきた。そこにニュー・メディア(SNS)が現れて沼の水を抜き、左翼の蠢きを曝露した。以上が急激な保守革命の原因だ。
 時局から始めたが、問題は思想や認知に帰着した。だから本講義では認知枠組たる世界観の複数性を主題化する。従来社会契約論など革命思想は近代固有とされてきたが、想源は『聖書』や中世思想にある。置換移民で各国の個性が崩壊したいま、近代・市民・社会とも輪郭がぼやけ、時代が従来の社会思想史の枠組を解体した。放置すると混沌に陥るから再編が必須だが、それには近代より古代や中世、市民(俗界)合理的より宗教(聖界)合理的な人間学、社会の前にそれを作る個人格  persona  を知る必要がある。これはギリシア‐ローマ系の社会思想を軸に近代市民社会思想を学ぶことである。全5部構成。 
  序 現代が千年紀的転換期である理由を探ってみる。
  Ⅰ 近代・市民・社会の自明性喪失の種々相を見る。
  Ⅱ 中世の唯名論革命に理念上の近代の発端を見る。
  Ⅲ 中世に始まる近代的な社会科学の歴史を見渡す。 
  Ⅳ 近代以前の近代化の試みを再開する動きを見る。
  Ⅴ 非西洋国日本の視点から一連の問題を考え直す。 

到達目標 / Course Objectives

㋐知識・技能の観点 基本用語の意味を理解する。
㋑思考力・判断力・表現力等の能力の観点 理解を自分の言葉で表現する。
㋒主体的な態度の観点 参考書を手に取って読んでみる。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

  序 頭を打つ近代――新冷戦と地球文明の旋回
1 中国リスク 中国が世界を混乱に陥れた手法はコロナ等の生物兵器以上に「ウォーク」等の認知兵器である。その全貌はなお未解明だが、経済支援(一帯一路)や左翼思想の輸出と内政統制が一体化している。 

  Ⅰ  基本枠組の再編――近代・市民・社会の見直し
2-3 近代・市民・社会とは? 啓蒙期の社会契約論は社会を統治者と被治者の間の「契約」に見出したが、スコットランド人はこれに反論した。しかしカトリック教会は両方に反論した。現代における近代・市民・社会の概念解体をたどり、それらを再編する。 

  Ⅱ  唯名論革命とその帰結――形而上学の変貌と潜行
4-6 哲学史という土台 人間を霊魂と肉体の結合と見たアリストテレスの哲学が、13世紀の聖トマスにおいて理性的存在者の階層論というキリスト教的世界観と統合され人間の能動的認識作用が理論化されたが、14世紀の唯名論革命で認識理論が受動化され、同時に形而上学(世界観)から神が排除された。

  Ⅲ 近代社会科学の中世起源
7-8 教会と国家・政治 団体としての教会が合議によって教皇すら公会議が罷免できるという統治の法理学により自己統治の原理を構築する。これを国家が取り入れて立憲主義が形成され、実は社会契約論もその派生理論である。 
9-10 経済学真史 教会法学者は11世紀に経済学を作り始め17世紀に一通り完成したが、それに疎いスミスは別の理論を作った。これは均衡という不在事象を軸にする非経験性を抱えたまま今日に至る。他方法学系の経済学も現代にまで受け継がれた。 

  Ⅳ リモダニズム――西洋人にとって「伝統」とは?
11-13  「大きな理性」と「伝統」  カトリックは19世紀末からトマス哲学に基づき工業社会の労働者の人間像から社会、国家、国際関係を説く「カトリック社会教説」を構築し、第1近代的世界観の中で人間が神の恩寵を得て向上するという「大きな理性」を求めた。また古代ユーラシアで栄えた超越者を尊び身分制をとる社会の伝統を近代に対置する伝統主義、真理常在不変論  perennialism  はカトリック、ヒンズー教、道教、神道など古代宗教に根ざす伝統社会の方が優れると説く。
11 オンディマンド カトリック社会教説の走り、教皇レオ13世の社会思想(授業動画90分)

  Ⅴ 西洋化した非西洋国、日本
14-15 日本という謎と西洋 ここ10年ほど日本の日常文化が世界から注目を集めており、今後数百年における世界の中心国になると言われ始めた。その種々相と主な原因を考察する。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

講義で気になった論点をウェブや本で深掘りしてみよう。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験70%、平常点30%

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能の観点 基本用語の意味がわかっている。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点 それを適切に使える。
③主体的な態度の観点 一貫した論述ができる。

教科書
Textbooks

参考書
References

01)ハミルトン&オールバーグ『見えない手――中国共産党は世界をどう作り変えるか』奥山真司監訳、森隆夫訳、飛鳥新社   
02)喬良・王湘穂『超限戦――21世紀の「新しい戦争」』坂井臣之助監訳、劉琦訳、角川新書  
03)マーク・ガレオッティ『武器化する世界――ネット、フェイクニュースから金融、貿易、移民まであらゆるものが武器として使われている』杉田真訳、原書房  
04)Michael  Allen  Gillepie,  The  Theological  Origins  of  Modernity,  The  University  of  Chicago  Press,  2009  ガレスピー『近代の神学的起源』  
05)ホセ・オルテガ・イ・ガセット『個人と社会』佐々木孝ほか訳、白水社  
06)レオ13世『リベルタス』https://blog.goo.ne.jp/thomasonoda/e/d411853bf0e245a93656ac532a401381  
07)稲垣良典『信仰と理性』第三文明社  
08)稲垣良典『抽象と直観――中世後期認識理論の研究』創文社  
09)ブライアン・ティアニー『立憲思想』鷲見誠一訳、慶應義塾大学出版会  
10)ヘレーナ・ローゼンブラット『リベラリズム――失われた歴史と現在』三牧聖子・川上洋平・古田拓也・長野晃訳、青土社  
11)バーリ・ゴードン『古代・中世経済学史』村井明彦訳、晃洋書房  
12)ハーバーマス&ラッツィンガー『ポスト世俗化時代の哲学と宗教』三島憲一訳、岩波書店  
13)ロマーノ・グァルディーニ『近代の終末――方向づけへの試み』仲手川良雄訳、創文社  
14)ルネ・ゲノン『世界の終末――現代世界の危機』田中義廣訳、平河出版社  
15)オルダス・ハクスレー『永遠の哲学――究極のリアリティ』中村保夫訳、平河出版社  
16)ヴィヤーサ『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳、岩波文庫  

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備考
Other Comments

参考書の一部を一度は手に取って読んでみると世界が広がるでしょう。

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