- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法/文/政策/外/人間/シ/環/化
- 時間割コード
Course Code - 00613
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 生活の中の経済学
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- A
- 担任者名
Instructor - 村井 明彦
- 曜限
Day/Period - 月2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
第一経済学の講義です。
教科書経済学は二つに分裂しています。ミクロは架空市場での財 Goods どうしの交換「GG」を扱うか交換分析をしない「生活の外の経済学」です。マクロは貨幣 Money を考慮するのに財と貨幣の交換「GM」は見ずそれが生む数字の関係を扱う「生活の中から出てきた数字を生活は無視して扱う経済学」です。
この講義は生活の中のミクロ的手順を見て、それが生むマクロ的帰結を扱う経済学、略称「生活の中の経済学」です。それは4層構造をなします。
④マクロ経済学 下記③から現れる集計値や指数を扱う。
③ミクロ経済学 買物、貸金、生産・販売の手順を扱う。
②交 換 学 交換の類型や価値評定のしくみを扱う。
①行 為 学 意思主体の内省から行為の規則を扱う。
20世紀後半に上の分裂を批判し④/③マクロ経済学のミクロ的基礎づけが重視され始めますが、この講義はまず③/②ミクロ経済学の交換学的基礎づけ、さらに②/①交換学の行為学的基礎づけを図った点で「行為学で基礎づけられた交換学で基礎づけられたミクロ経済学で基礎づけられたマクロ経済学」、つまり 一つに統合された無分裂経済学です。以上を歴史的に言い直します。
1. 理 論 価格決定を扱う「価値論」には決定主体が消費者とする主観的価値論、企業とする客観的価値論があります。英米経済学では学祖スミスが労働量とした決定因を1870年代の限界革命で効用としますが、1920年代に限界原理(最終単位に注目する理論)を企業理論に適用してコストに改め、価値論は客観⇒主観⇒客観と逆戻りします。また古典派も新古典派も価格は一つに定まるという 一物一価均衡論 をとりますが、それは まだ実証されていない のです。
2. 実 証 戦間期にマクロ経済学が発展し戦後マクロ変数の実証が登場しますが、AI時代の近年ビッグデータでミクロでも実証が始まり、市場に均衡はない と証明されます。今後理論は事実に合うように作り直しを迫られるでしょう。
3. 理論-実証関係と名称の由来 ところがローマ法の影響から17世紀まで経済学は 一物多価非均衡論 と主観的価値論が通説で、理論と事実の間に分裂はありませんでした。つまり経験性を科学性の印とする限り 中世経済学の方が科学的だった のです。この大陸学派はのちフランス、ドイツ、オーストリアを転々とし、今はアメリカで発展中です。その結論がAI時代の実証と一致するのは理論が生活の中の事象を正確に捉えている証拠です。この講義では中世以来続く経験的な経済学を後代の洗練も取り込んで統合体系として学びます。英米学派は約250歳と若いですが、大陸学派は900歳を超えます。だからそれを 第一経済学 と呼びます。第一経済学こそが生活の中の経済学なのです。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点 基本用語の意味を理解する。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点 その理解を自分の言葉で表す。
③主体的な態度の観点 出席、提出物の提出、不明点復習の習慣化。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
序 01 講義案内、経済学の特徴・定義・課題
ミ 02 需要側理論D1 GG(物々交換)
03 需要側理論D2 2つの限界原理
ク 04 需要側理論D3 GM(財-貨幣交換)
05 需要側理論D4 MM(貨幣-貨幣交換)
ロ 06 供給側理論S1 MG(貨幣-財交換)
07 供給側理論S2 競争と企業数
篇 08 供給側理論S3 企業家と異次財構成
マ 09 全体経済学T1 周期変動論
10 全体経済学T2 6つの類型
ク 11 交換料率論R1 マクロ価値論
12 交換料率論R2 有効貨幣変動と一般価値論
ロ 13 交換料率論R3 有効貨幣停滞とデフレの恩恵
14 統計的検証E1 19世紀と20世紀の違い
篇 15 統計的検証E2 LHバランスと安定成長授業時間外学習 / Expected work outside of class
関連書を読み、中間提出物を出し、不明点は質問しよう。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
試験70%、平常点30%基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点 言葉の意味を理解している。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点 言葉を正しく使える。
③主体的な態度の観点 レポート提出、質問による事後修正。
- 教科書
Textbooks 村井明彦 『グリーンスパンの隠し絵』 名古屋大学出版会(上・下) 978-4815808693
-
参考書
References
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 質問法は講義内、LMSの「メッセージ」などです。
- 備考
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