- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法/文/政策/外/人間/シ/環/化
- 時間割コード
Course Code - 00597
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 世界の宗教
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- A
- 担任者名
Instructor - 磯 忠幸
- 曜限
Day/Period - 水3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
わたしたちは普段に「宗教」についてそれほど意識しているわけではありません。しかしながら、どのような現れ方であれ、わたしたちはさまざまな「宗教に関する事柄」と関わり合っています。その場合、わたしたちは宗教に対して特定の固定化されたイメージか、あるいは曖昧なイメージかしか持ち合わせていませんので、困惑することも多いはずです。
この講義では、宗教学とその隣接分野(たとえば社会学、心理学、文化人類学など)の研究成果を踏まえながら、わたしたちが「宗教に関する事柄」について考える多様な視点を提供したいと考えています。そのために、特定の宗教の教義や信仰活動を説明・解説するのではなく、宗教研究が取り組んできたいくつかの主題(たとえば各講義回の主題のように儀礼、禁忌、怪物、憑依、パフォーマンス、音楽、病気のみならず、神話、想像力、夢、神秘主義、性、身体、権力なども含む)のもとにさまざまな宗教現象を取り上げて、「宗教に関する事柄」を考察することになります。
受講するみなさんには、講義全体を通じて「宗教」に対する柔軟で多様なイメージを形成してもらいたいと考えています。到達目標 / Course Objectives
①「宗教」を研究する分野がどのような視点を持っているのか理解できる。
②宗教研究が問題としている主題とその学説について、基本的な理解ができる。
③受講以前に漠然と抱いていた「宗教」についてのイメージをアカデミックな立場から見直すことができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 導入:「宗教」を研究することはどういうことか?
「宗教研究」のいくつかの分野を紹介して、この講義が立脚するスタンスを明確化します。
第2回 「聖なるもの」とは何か?1 神学と宗教現象学
第3回 「聖なるもの」とは何か?2 フランス宗教社会学
宗教研究にとって「聖なるもの」という概念がどのように論じられてきたのか、その流れを追いながら、<宗教信仰の不合理な側面・様相>の特異性を考察します。
第4回 儀礼と祝祭
宗教研究で「宗教行為」としての「儀礼」がどのように論じられているのかを考察します。
第5回 禁忌と侵犯
いくつかの「禁忌(タブー)」の事例を取り上げて、それが「忌まれている」仕組みを考察します。
第6回 怪物と秩序
「ゴジラ」を事例として、「一貫した秩序体系(システム)」とその「異物」との関係を考察します。
第7回 「少女」の秘密
ネパールのクマリ信仰(処女神崇拝)などに見られる宗教的な意味合いで特別視される少女、アニメや映画などサブカルチャーに登場する少女キャラクターなどを取り上げながら、「少女」という存在の特殊性について考えます。
第8回 「カルト」と市民社会1
第9回 「カルト」と市民社会2
いわゆる「カルト」について考察します。具体的事例として「人民寺院事件」を取り上げ、わたしたち(市民社会)と「カルト」との関係性について考えてみます。
第10回 聖なる侵入―来訪神と異人
わたしたちの「外部領域」から侵入してくるもの「異人」や「まれびと」を「来訪神」として考察します。
第11回 憑依とパフォーマンス1
第12回 憑依とパフォーマンス2
インドネシアのバリ島で行われている宗教儀礼を事例として紹介しつつ、宗教的トランス・憑依(神懸かり)と身体的パフォーマンスとの関係について考察します。
第13回 野生の響き―宗教音楽とは何か?
宗教儀礼で用いられる「サウンド」(特にパーカション)について考察します。
第14回 病いの隠喩(メタファー)
「病い」が宗教的にどのような脈絡でとらえられているのかを考察します。
第15回 総論:秩序と反秩序
これまでの講義内容を<「秩序と反秩序」との関係性>から再整理・再配置することで、講義全体をまとめてみたいと考えています。授業時間外学習 / Expected work outside of class
予習としては、各講義の主題に関して、予備知識として概要を調べておくことが望ましいです。
復習としては、講義で提供するプリントなどを精読するなどして、講義内容のさらなる理解のみならず、自主的に主題の「深堀り」に努めてもらいたいです。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験における論述試験(70%)
講義への出席態度や講義中に求める課題の内容(30%)基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
・各主題で取り上げた事象がどのような概念と結びつき、どのようなコンテキストで問題になっているのかを理解できているか。
・各主題で取り上げた内容を受講者自らの関心・興味や経験などと関連づけて考察し、それを論理的に説得力をもって論述表現できるか。
- 教科書
Textbooks
教科書は指定しない(LMSを通じて提供する「講義内容プリン(PDFファイル)」を教科書だと考えて下さい)。必読文献がある場合は、講義中に指示する予定です。
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参考書
References W・R・コムストック 『宗教 原始形態と理論』 東京大学出版会 1314-06622-5149
各講義回の内容に関連する参考文献がある場合は、講義中に指示します。
- フィードバックの方法
Feedback Method 課題提出を求めた場合、提出された内容について、講義時間内で講評したり、LMSで応答したりする予定です。
論述試験、もしくはレポートの論述内容について、適切な時期に解説します。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 授業日の授業前後に講師控室や教室で対応します。また、MLSのメッセージ機能などを用いても対応します。
- 備考
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