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学部・研究科
Faculty/Graduate School
法/文/経/商/社/政策
時間割コード
Course Code
50344
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
地理歴史科教育法(二)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
4
担任者名
Instructor
柴田 洋一
曜限
Day/Period
土4
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

・高等学校の地理歴史科の教員として、歴史科目の意義と目標、学習指導要領の目標と内容を理解する。
・教材理解と教材研究、学習評価の基本的方法を理解し、授業の基本的な方法論を理解する。
・生活背景の異なる生徒たちがともに学ぶため、実践的な学習指導案(ICTの活用を含む)を作成する。
・模擬授業を実践し、教師役や生徒役の経験と相互の意見交換を通して、授業研究や授業展開、学習評価について協働的に改善できる能力を高める。
・模擬授業(ICTの活用を含む)では相互評価を行い、終了後に教師役は改善した指導案を再提出する。生徒役は、授業に積極的に参加するとともに教師役の進行を観察し、自分が教師役になったときに役立つ技能を学ぶ。
・21世紀型学力を意識しながら、ICTの活用、視聴覚教材や模擬教材、ワークショップ、施設見学・フィールドワーク等のアクティブ・ラーニングなど、多様な授業形態と外部の教育資源とのコーディネート力についても考察する。

到達目標 / Course Objectives

①      知識・技能の観点
・地理歴史科の歴史科目の意義と目標、学習指導要領の目標と内容を説明できる。
・地理歴史科の歴史科目(歴史総合・日本史探究・世界史探究)の授業展開に必要な基本的な知識を身につけ、年間を通じてバランスよく円滑に運用する基本的技能を修得できる。
②      思考力・判断力・表現力等の観点
・具体的に教科書単元の学習指導案(ICTの活用を含む)について、一連の作成プロセス(単元目標と3観点評価の設定、教材研究、展開内容、板書計画、配布資料やワークシートの作成)を通して、生徒に分かりやすく興味の湧く授業のあり方について工夫して作成できる。
・模擬授業(ICTの活用を含む)において、一連の展開プロセス(学習目標と本質的な問いを設定し、大きな声と客観的な態度で分かりやすく語り掛け、生徒の反応を確かめながら学習を促し、生徒の学習活動を3観点段階別のルーブリック表で評価すること)を通して、円滑に指導できる。
・模擬授業の実践後に振り返りと相互の意見交換を通して指導案を協働的に改善できる。
③ 主体的に学習に取り組む態度の観点
・持続可能な社会やポスト・コロナのVUCA社会を生きる生徒に、時代が求める21世紀型学力を意識しながら、よりよい社会をめざす人間性や学びに向かう力を身につけてほしいという教師の願いを、授業でのインストラクショナル・デザインとして実現できる。
・模擬授業の学習指導案とは別に、新たなテーマと手法(単元・教授法、とくにICTの活用を含め、パフォーマンス課題、分析ツールを用いたクリティカル・シンキング、ペアやグループでのワーク等)で、アクティブ・ラーニングに比重を置いた指導案を作成できる。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・ネット環境のデバイスを個人持参で(BYOD)。講義中の記録作成や疑問調べにも活用を奨励する。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回  ガイダンス、授業の基礎的技能(健康管理、所作、発声、滑舌、アイコンタクト、進行手順、板書、多様な生徒の観察・背景理解・対応等)と歴史教育の意義
第2回 学習指導要領の読み方とシラバス・年間指導計画、教材研究、学習指導案、定期考査問題の作成・採点・観点別評価・統計処理などの考え方
第3回  模擬授業教師役と日程の決定、学習指導案と教材研究
第4回  模擬授業のガイダンス、ICT機器の活用とアクティブ・ラーニング指導案
第5回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換① 歴史総合① 歴史の扉、近代化と私たち  
第6回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換② 歴史総合② 国際秩序の変化や大衆化と私たち
第7回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換③ 歴史総合③ グローバル化と私たち
第8回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換④ 日本史探究① 原始・古代の日本と東アジア  
第9回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換⑤ 日本史探究② 中世の日本と世界
第10回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換⑥ 日本史探究③ 近世の日本と世界
第11回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換⑦ 日本史探究④ 近現代の地域・日本と世界
第12回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換⑧ 世界史探究① 諸地域の歴史的特質の形成、諸地域の交流・再編
第13回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換⑨ 世界史探究② 諸地域の結合・変容
第14回  模擬授業の実施(ICTの活用を含む)及び評価、意見交換⑩ 世界史探究③ 地球世界の課題
第15回  授業・定期考査・大学入試問題の連続性、出題傾向の分析方法の開発、講義アンケート            
※第5~14回の模擬授業については、受講者から希望者を募り、教師役を決定し、生徒役との相互評価を実施する。
※受講者が10人以下であれば、模擬授業は全員1回50分間を行い、時間的感覚も養う。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

1模擬授業のための教材研究や学習指導案の作成は各自で準備を進めておく。慣れない間は、1つ作るためにかなりの時間と根気が必要。
2教科書は購入して講義に持参する。予定の模擬授業科目は関大LMSの講義ページを参照する。
3指導案作成上で必要になる学習指導要領の文言は、販売されている参考書(参考書の欄を参照)のほか、文部科学省のHPからダウンロードできるので、確認を各自で行う。
4講義の中で適宜、最新の動向を紹介するが、各自でも文部科学省からの情報には注意を払う。
5模擬授業はすべて記録撮影を行う予定。その記録を参考に、自身の模擬授業の振り返りと講評等を含めて指導案を修正して再提出を行う。
6考察する基本的姿勢として、知識の暗記ではなく、グローバル時代に生きる生徒に学ばせるために、指導者として歴史的な見方・考え方を活かした広い視野を心がける。
7教員採用試験合格にむけて、講義と並行していまから試験対策を進める。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
講義での課題(10%)学習指導案(20%)模擬授業(20%)相互評価レポート(20%)積極的な参加度(10%)アクティブ・ラーニング指導案(20%)

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

模擬授業と提出物は内容面を総合的に評価する。
・すべて実施・提出しても、内容面で劣っている場合には不可となる場合もある。
・提出について、正当な理由のある期限遅れの場合は得点を2分の1とする。また、正当な理由のない場合は評価対象外とする。
・模擬授業について、自分が教師役である当日のキャンセルは、評価対象外とする。
①知識・技能の観点
・講義での課題
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・模擬授業の学習指導案(事前に添削を受け、実施後に修正されたもの、使用スライド等の板書計画、配布プリントやワークシートと解答を含む)
・模擬授業の実施
・相互評価レポート
③主体的に学習に取り組む態度の観点
・講義・模擬授業・相互の討論での積極的な参加度
・アクティブ・ラーニング指導案

教科書
Textbooks

佐藤信ほか  『詳説日本史(新課程版705)』  (山川出版社)  978‐4‐634-70121‐2
木村靖二ほか  『詳説世界史(新課程版704)』  (山川出版社)  978‐4‐634-70131-1
市川大祐ほか  『歴史総合 わたしたちの歴史(新課程版709)』  (山川出版社)  978-4-634-70113-7

参考書
References

文部科学省  『高等学校学習指導要領解説』(平成三十年告示)   (文部科学省)  
文部科学省  『「指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料 高等学校地理歴史編 令和3年8月  文部科学省国立教育政策研究所教育課程研究センター  

アクティブラーニングについては、講義の中で紹介する。

フィードバックの方法
Feedback Method

・模擬授業実施予定日のひとつ前の講義前日昼12時までに、事前に関大LMSの講義ページから提出された指導案等は、添削をできるだけ分かりやすく加えて返却する。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー
・講義の前後に対応する。
その他
・簡単な質問・相談・連絡・確認等は、関大LMS経由で講師あてにメールを用いても可能。
ただし、平日は本務校での勤務があるため、対応に時間がかかることをご了解ください。

備考
Other Comments

・無断欠席は認めない。必ず事前もしくは事後に理由を申し出ること。急な体調不良や自宅待機等についても同様。
・急な連絡等は関大LMSを用いるので、講義前後にご確認ください。
・提出物は必ず提出前に控えを準備することをお勧めする。理由として、とくに模擬授業の教師役の場合、板書案や配布資料・ワークシート等は、PCやUSB等にデジタル・データか画像で保存しておけば、自身の体調不良等のために、模擬授業当日に急なZOOM利用となっても、画面共有で進めることができるから。