- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 総情
- 時間割コード
Course Code - 70618
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - デジタルアーカイブ実習
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/1
- 担任者名
Instructor - 中村 亜希子
- 曜限
Day/Period - 金2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
実験・実習・製図(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
近年の博物館展示では、出土遺物などの物や遺跡といった場所を3次元計測し、バーチャルミュージアム等で活用する事例が増えてきました。また、従来は高額な3Dレーザースキャナーの利用が主であった3次元計測も、比較的廉価なSfM-MVS(Structure from Motion and Multi-View Stereo)のPCソフトの普及に加え、iPhone等のLidar機能やTureDepthセンサーを用いておこなう手軽なアプリが登場したため、より身近なものとなってきました。
この実習では、iPadのアプリを用いた3Dスキャンや、デジカメ等で撮影した写真画像をPCソフトで解析するSfM-MVSの方法を用いて、身近な物・場所の3D化に挑戦します。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(総合情報学部)
1.知識・技能
2.思考力・判断力・表現力等の能力
3.主体的な態度
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・現在の博物館等において、どのように3次元情報が取得・活用されているかについて知識を深めます。
・iPadのアプリやPCソフトを用いて、初歩的な3次元情報が取得できるようにすることを目標とします。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・「何を伝えたいか」を良く考えた上で制作にあたります。対象物や目的によって適した3D化の手法が異なるため、それを考え判断できるようにすることを目標とします。
・取得した3次元情報を効果的に表現する方法・技術について理解を深めます。
③主体的な態度の観点
・制作を進めるにあたり、一人では解決できない問題がしばしば出てくると思います。他の学生同士で意見交換し、授業時間内に積極的に課題を進めようとする態度を歓迎します。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・フィールドワーク
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
1.オリエンテーション
本実習の流れについて説明し、初回授業段階での学生の意識・知識等についてアンケートを取ります。このアンケート結果をもとに、2回目以降の授業の進め方を確定します。
2.3次元情報の取得方法ついての概説
身近に存在する3次元情報の利活用例を紹介し、主な3次元情報の取得方法のうち、iPhone等のアプリによる3Dスキャンと、デジカメ等で撮影した写真画像をPCソフトで解析するSfM-MVSについて概説します。
3.iPhoneやiPad等を用いた3Dスキャンについての説明
iPhone等の3Dスキャンアプリは、現在有償・無償のものを含め様々なものが存在しており、それぞれ日々アップデートされています。本実習の制作では、Scaniverse(https://scaniverse.com/)やLuma AI(https://lumalabs.ai/)の使用を予定していますが、他にどのようなアプリがあるかも含め、使い方・特性についての理解を深めます。
4.iPadを用いた3Dスキャンの実践
各自1台のiPadを用いて、教室の中で3Dスキャンを実践し、取得したデータを外部ソフトで利用できるように書き出します。
5.SfM-MVSについての説明
デジカメ等で撮影した写真をパソコンソフトで解析するSfM-MVS(Structure from Motion and Multi-View Stereo)の技術について、基礎的な知識を解説します。
6.Metashapeを使ったSfM-MVSの実践①
SfM-MVSのソフトであるMetashape standard(Agisoft社)を用いて、SfM-MVSの一連の操作について実践しながら学びます。画像は教員が用意したサンプル画像を使用します。
7・8.Metashapeを使ったSfM-MVSの実践②
SfM-MVSに使用する写真を実際に自分で撮影し、Metashape standardを用いて解析します。
9.取得3次元データの編集・応用
3DデータをCloudCompare(https://www.danielgm.net/cc/)等のソフトでどのように表示・編集するか、初歩的な使い方を学びます。また、Sketchfab(https://sketchfab.com/feed)といった3Dモデルの共有プラットフォームの使い方についても説明します。
10.制作にあたってのミーティング
前回までの授業内容を踏まえて、何を・どんな目的・方法で3D化するか考えます。制作は個人でもグループでも構いませんが、学生同士積極的に意見交換を行いましょう。
11~13.制作
iPadもしくはMetashapeを用いて各自が決めた課題を制作します。制作中に生じた疑問は適宜教室内で共有し、意見交換をしながら進めます。制作が終わったら、発表資料を作成します。なお、屋外等での撮影を希望する学生が多い場合、適宜フィールドワークを入れる可能性があります。
14・15.作品発表と講評
本授業で制作した作品についてプレゼンテーション形式で発表し、講評を行います。授業時間外学習 / Expected work outside of class
・授業時に配布・提示された資料を読み込み、理解しておきましょう。
・制作開始時までに課題が決められるよう、日頃から考えておいてください。
・作品発表用のプレゼンテーションの準備が授業中に終わらない場合は、授業時間外におこなってください。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
制作における着目点・工夫(40%)、制作の技術的評価(40%)、授業・アンケート等における積極的なコメント(20%)基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
・授業で学んだ知識を生かして制作をおこなっているか。
・制作した作品における技能の到達度。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・明確な目的意識をもって制作をおこなっているか。
・目的に対して適切な手法を選択しようと試みたか。
・制作の目的を他者に分かりやすいように説明したか。
③主体的な態度の観点
・実践において、他の学生らと意見を交換しながら作業を進めることができたか。
・アンケートやコメント等において自分の考えを積極的に発信したか。
- 教科書
Textbooks
Youtubeのチャンネル「SfMの中村さん」の動画のうち、「フォトグラメトリ―を使った遺物の三次元計測講座」を視聴すると、授業の理解度が上がると思います。(https://www.youtube.com/channel/UCiaz3uLsdO4JraZ4_teKL-Q)
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参考書
References 林正憲編 『3次元データによる瓦の同笵認識技術の基礎的研究』 奈良文化財研究所
坂本静生 『ゼロからわかる3次元計測: 3Dスキャナ,LiDARの原理と実践』 オーム社 978-4274228827
金田明大 『文化財のための三次元計測』 岩田書院 978-4872946284
『3次元データによる瓦の同笵認識技術の基礎的研究』はインターネット上で公開されています。(https://repository.nabunken.go.jp/dspace/handle/11177/10028)
他、参考となる書籍・Webサイト等は授業中に提示します。
- フィードバックの方法
Feedback Method 毎回、授業最後におこなうアンケート等で出された質問のうち、授業全体に関わるものについては次回授業開始時に回答します。
個別の質問等については、対面および学内メール等にて受け付けます。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 授業終了後に質問等を受け付けます。他、適宜学内メール等にて問い合わせて下さい。
- 備考
Other Comments 実技等の進捗状況によって、授業の内容が若干前後する可能性があります。
授業は基本的にすべて対面で実施し、オンラインなどでの対応はおこないません。