- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 総情
- 時間割コード
Course Code - 70427
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - デジタルアーカイブ論
<M><C> - 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 中村 亜希子
- 曜限
Day/Period - 金3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
令和4年度に改正された博物館法では、博物館がおこなう事業として新たに「博物館資料のデジタル・アーカイブ化」が追加されました。博物館資料のデジタルアーカイブ化とインターネットにおける公開には、①博物館資料に係る情報の保存と体系化、②博物館における調査研究の成果を含めた資料の公共化、③多様な創造的活動への博物館資料の活用の促進等の意義が挙げられています。
デジタルアーカイブの対象には、写真や映像、音声等以外に、近年急速に普及・活用が進む3次元情報も含まれます。この講義では、現時点において、文化財のデジタルアーカイブの分野で、どのような取り組みが行われているかについて解説します。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(総合情報学部)
1.知識・技能
2.思考力・判断力・表現力等の能力
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・令和4年の博物館法改正の内容について学びます。
・デジタルアーカイブのうち、3次元情報のもつ特性について理解を深めます。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・博物館等が所蔵する諸資料に含まれる多用な意味・価値を理解し、デジタルアーカイブされた3次元情報のもつ可能性を探ります。
③主体的な態度の観点
・受け身で講義を受けるだけではなく、「自分事」として身近な文化財のデジタルアーカイブのあり方を考えられるようになることを目標とします。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
1:オリエンテーション
本講義の通年での流れについて説明し、初回授業の段階での学生の意識・知識等についてアンケートを取ります。このアンケート結果をもとに、2回目以降の授業の進め方を確定します。
2・3:令和4年の博物館法改正とデジタルアーカイブ
令和4年に改正された博物館法の改正内容についてと、デジタルアーカイブについて紹介します。
4:コロナ禍における博物館の取り組み
Covid19により、多くの博物館・美術館が長期間にわたる休館を余儀なくされた2019年春以降、各地の博物館では動画配信やデジタルミュージアム等の整備が急速に進められています。本講義ではそれらの事例について紹介します。
5・6:身近になった3次元情報
近年のスマートフォンやiPhone等のカメラやアプリの開発・機能拡充により、物や場所を手軽に「3Dスキャン」することが可能となりました。本講義では、文化財の記録・調査にも使用されるようになってきたこれらの技術の特徴や使用事例について解説します。
7・8:デジタルアーカイブにおける市民の参加
「3Dスキャン」が身近になったことにより、近年では一般市民による文化財の三次元情報の記録・情報発信が盛んになってきました。これらの取り組みについて紹介します。
9・10:災害・戦争とデジタルアーカイブ
近年多発する自然災害や戦争等によって、日々失われていく文化財があります。これらの文化財をデジタルアーカイブとしてどのように残すことができるかについて考えます。
11・12:身の回りの文化財について考える
レポート作成に向けて、何を対象として扱う予定か事前にアンケートをおこない、調べ作業の手法等について一緒に考えます。
13:3次元情報の展示・研究への利用
14:3次元情報を保存・活用する際の諸問題
15:まとめ
講義全体の流れをまとめ、レポート作成についての質問等に答えます。授業時間外学習 / Expected work outside of class
・授業の配布資料および、授業中に提示した資料・書籍等を、よく読んで理解しておきましょう。
・レポート作成にあたっては、各自が身近な博物館や史跡等を訪れたり、図書館等で調べ作業を行ったりしてください。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
授業後アンケート等での意見表示(50%)、レポート(50%)
履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
・令和4年の博物館法改正の内容について、概要が理解できたか。
・3次元情報のもつ特性について、概要が理解できたか。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・文化財およびその情報のもつ意味・価値や、現代社会の問題を踏まえ、デジタルアーカイブのあり方について自分の言葉で表現できたか。
③主体的な態度の観点
受け身で講義を受けるのではなく、「自分事」として身近な文化財のデジタルアーカイブのあり方を考えられたか。
- 教科書
Textbooks
文化庁 博物館総合サイト「法改正で変わる日本の博物館」(https://museum.bunka.go.jp/law/)を適宜参照してください。
-
参考書
References 国立文化財機構奈良文化財研究所企画調整部文化財情報研究室 『考古学・文化財デジタルデータのGuides to Good Practice』 奈良文化財研究所
小川 義和・五月女 賢司 『発信する博物館』 ジダイ社 978-4909124463
『考古学・文化財デジタルデータのGuides to Good Practice』は学術情報リポジトリにおいてPDFが公開されています。(https://repository.nabunken.go.jp/dspace/handle/11177/9904)
その他の参考文献・Webサイト等は、適宜授業中に指示します。
- フィードバックの方法
Feedback Method 授業後に対面で質問等に答えます。また、授業中におこなったアンケートで提示された疑問点等については、次回授業時に紹介しフィードバックします。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 授業後に直接質問するか、学内メールで問い合わせてください。
- 備考
Other Comments 講義の内容・順番は、受講生の理解度・進捗状況等によって若干前後する可能性があります。
授業は基本的にすべて対面で実施し、オンラインなどでの対応はおこないません。